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2009-01-21 00:00
(連載)ガザ紛争とテロとの闘い:世界無極化の阻止(3)
角田 勝彦
団体役員・元大使
個々のテロとの闘いには、終りがあり得る。米国「テロ防止記念研究所(MIPT)」の数100例のデータによれば、テロ組織の平均存続期間は5~10年であるとされている(A・K・クローニン、2008年4月発表)。テロの終息には、3つの類型が考えられる。テロ組織の側から見ての勝利、妥協及び敗北である。勝利は、目的、例えば植民地独立運動における独立達成である。敗北は、目的が達成されずに終わることのみでなく、組織の瓦解を意味することが多い。組織の瓦解には、他者の力への敗北(指導者の殺害乃至拘束と組織の武力鎮圧)のほか、自壊(内部分裂など)も有り得る。妥協は、主として交渉による当初目的の一部の断念である(完全独立でないまでも自治権獲得)。
成否を左右するもっとも重要な問題は、テロ組織の目的が妥当か否かである。イスラエル撃滅というハマスの目的は受諾され得ないし、達成もできない。中東諸国は、パレスチナ紛争を念頭に「民族自決のための武装闘争はテロではない」などと主張しており、国連での包括テロ防止条約の締結は、長い間停滞している。しかし、国際的に認められている2国家併存案は、国境、エルサレム、難民帰国などの難しい問題は残すが、基本的に民族自決の要求を満足させるものである。現在は穏健派となったファタハは、長い闘争を経て、これが最善の道であることを学んだのである。
オバマ選出大統領は、パレスチナ紛争について、11日放送された米ABCテレビのインタビューで、「ガザ紛争を見て、中東和平交渉の打開への決意がより強固になった」と語り、大統領就任初日から積極的に関与する姿勢を強調した。アラブ諸国からの強い支援と期待に応え、オバマ新政権により、イスラエルとハマスを押さえ、妥協を見いだす努力が、早急に開始されることを期待する。(おわり)
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