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2009-02-05 00:00
(連載)クリントン米国務長官の来日を控えて(1)
角田 勝彦
団体役員・元大使
最近の報道によれば、ヒラリー・クリントン米国務長官は、就任後初の外国訪問として、早ければ2月中旬にも日本を訪れるという。オバマ米政権が、中国と、政治、経済、安全保障などを含む、最上級レベル(たとえばバイデン副大統領と温家宝首相)の包括的戦略対話を新たに始める方針を固めたとの報道(2月2日付讀賣新聞)もあり、米民主党政権が中国重視に傾くのではないかとの危惧を抱いていた向きも、これはオバマ政権の日米関係重視の姿勢を示すものであると、一安心であろう。
「多極化」といっても、オバマと自国首脳の電話会談や面談の順番を巡って各国が一喜一憂しているのが世界の現実であるが、他方、現実主義路線をとるオバマ政権により、友邦日本の重要性は、中国とは別の次元で考慮されているようである。ライス米国連大使も、1月28日、着任後初めての高須国連大使との会談で、日本がアフガニスタンの復興支援で一層の貢献を行うことへの期待を示しつつ、「オバマ大統領、クリントン国務長官とも日本を重視している」とし、「国連の場でも日米の協力関係を強化していきたい」と述べた由である。
おりしも、日本は、2月より国連安保理議長国になった。また常任理事国入りを含む安保理改革の早期実現を目指し、同月に開始される政府間交渉に臨んでいる(第171回国会における1月28日中曽根外相外交演説)。近隣諸国の理解を深める上で、昨年12月の単独日中韓首脳会談の定例化は有益だろう。問題は、新しい国際秩序形成が模索されているいま、米国のみならず世界の期待に、日本がどう応えていけるかである。国際協調路線をとるのは当然として、日本は「現金支払機」でも「騎士の従者」でもない。
日本が価値観をともにする米欧の民主主義国家と立場を同じくするにしても、国益が異なることも、優先順位が違うこともあるのは、当然である。憲法の制約もある。たとえばアフガニスタン支援には限界がある。政府は、その関連でパキスタン支援の国際会議を日本で開催する案も検討していると報じられている。(つづく)
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