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2009-03-16 00:00
(連載)政局にうろたえず、着実に政策実施を(1)
角田 勝彦
団体役員・元大使
最近のNHK世論調査(3月15日「日曜討論」)によれば、次の首相にふさわしい人への支持率で、小沢民主党代表は2月の24%から14%に急落し、麻生首相も13%から10%に下がった。逆に、「どちらもふさわしくない」は56%から70%へ増加した。3月3日の小沢代表公設第一秘書大久保容疑者の政治資金規正法違反(虚偽記載など)の疑いでの逮捕などで、国民は政治の現状にあきれ果てているようである。両党からの立候補予定者も、両党首の取扱いを巡り次期総選挙用ポスター作成に悩んでいるという。
まったく懲りないものである。政治資金規正法は、1948年制定以来2008年1月までに主なものだけで13回改正されてきた。リクルート事件(1988年)、東京佐川急便事件(92年)やゼネコン汚職事件(93~94年)などを経て、ザル法といわれた規正法の穴も、かなりふさがってきた。他方、1995年に政党助成法が施行され、政治資金に税金が投入されることにもなった。規正法違反を、贈収賄罪に比べれば「形式犯」であると軽視することは許されなくなったのである。2004年9月、日本歯科医師連盟から自民党橋本派への1億円ヤミ献金事件で、派閥の会長代理だった村岡元官房長官が収支報告書への不記載罪で在宅起訴されたのは、そう昔のことではない。
今回の西松建設事件を契機に、企業・団体献金関係中心に穴ふさぎはさらに進展しよう。小沢代表が、10日の記者会見で、報道各社の世論調査で代表辞任を促す意見が過半数を占めたことについて、「収賄罪か何かの被疑者のような報道で、辞めた方がよかろうと思われてもむべなるかなと感じる」と報道を批判したのは、認識不足を明らかにしたものだが、いずれ大久保容疑者の起訴などとの絡みで、その進退(いまは退陣を否定)を明らかにするものと考えられる。なお、小沢氏が大久保秘書逮捕を「不公正な国家権力の行使だ」と非難したのは、論外のコメントだった。指揮権発動の例はあるが、権力で検察を左右できるというのは、恐ろしい発想である。
今回の事件を受け、有権者が、民主党への不信のみならず、いまの政治状況そのものへの不信を強めていることは明らかである。讀賣新聞世論調査(3月6~8日)では、麻生内閣発足以来はじめて無党派層は4割を超えた(2008年9月の発足時の26.4%が42.6%)。次期衆院選後の望ましい政権の枠組みについては、自民・民主の大連立を含め、いまの与野党の枠組みを超えた政権を望む声は合わせて64%に達している。つまり経済危機が一段と深刻になっていることをも踏まえ、安定政権と強力な首相への要望が強まっているのである。(つづく)
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