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2009-04-21 00:00
(連載)北朝鮮問題について(2)
河村 洋
NEW GEAR代表
日米韓の反北朝鮮同盟は重大なジレンマに直面している。ピョンヤンの独裁者が危険な冒険主義に走ることを防ぐには、中国とロシアの関与が必要ではあるが、両国の介在は北朝鮮への効果的な圧力への障害でもある。北朝鮮危機に関する限り、オバマ大統領は以下の課題で試されている。それは核不拡散、中国とロシアという非民主的な大国との対抗関係、そして対テロ戦争への影響である。
関係諸国の政府はこの危機のエスカレーションを避けたがっているが、アメリカ国民の57%は北朝鮮のミサイル施設に対して軍事攻撃すべきだと考えている。実際、イスラエルがイラン・イラク戦争の最中にイラクの原子力発電所を爆撃し、サダム・フセインの危険な野望を挫いた前例がある。危機に直面したアメリカ国民は、バラク・オバマ氏とジミー・カーター氏のアプローチよりも、ジョージ・W・ブッシュ氏とジョン・マケイン氏のアプローチを望ましいと考えるようになっている。もちろん、危機のエスカレーションは避けられた方が好ましい、と私も思う。しかし国連は、イラク・ギャップを克服できていない。また、中国もピョンヤンの独裁者を管理できていない。そのため、この世論調査結果は理解できる。
最後にアメリカン・エンタープライズ研究所のニコラス・エバースタッド常任研究員の論文にも言及したい。エバースタッド氏は、このミサイル実験が全体主義体制の弱体化と重なる、というタイミングに注目する。ロケットが発射されたのは病弱なキム・ジョンイル氏の後継者が決定される最高人民会議の直前である。結論として、エバースタッド氏は「老い先短い君主が治める一党独裁体制は、今や音を立てて崩れようとしている。この問題の方が日曜日のミサイル発射よりも北朝鮮の行く末に大きな影を投げかけている」と述べる。
この危機は、核不拡散問題を超えたより大きな意味合いをもっている。日米韓三国の同盟は、朝鮮半島での中国とロシアを相手にした地政学的な競合にも準備を怠ってはならない。これはオバマ大統領に対して長い時間をかけて科される試験である。(おわり)
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