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2006-04-24 00:00
登場せよ、戦略を持った政治家!
設楽 尚三
著述業
4月11日の「JFIRコラム」欄に田久保忠衛氏の「日本の政治家に望む戦略的教養」が掲載されているが、そのなかで田久保氏は「昨年の日本外交の大きな失点は、国連安全保障理事会の常任理事国入りに成功しなかったことだ。日本側当事者の何人かから話を聞いたが、常任理入りだけを目標とし、そのための戦術をどうするかの詳細を説明するだけである。常任理のイスを手にしたうえで一人前のプレーヤーになるとの気迫を感じさせる政治家はいない」と指摘しておられる。
たしかに、戦術はあっても戦略はなく、何のために常任理のイスを手に入れる必要があるのかの明確な大構想を語った政治家は、小泉首相そのひとを含め、一人もいなかったことを痛感する。日米同盟を強調することだけが外交であり、日米同盟さえ強調しておれば、それで万事うまくゆくという程度の外交戦略しかないのではないか。その結果、アジア、アラブ、アフリカ、中南米諸国の中には日本が常任理事国になっても、安保理に「もう一つ米国」ができるだけだとの認識を持つ国が多い。これでは賛成票を得るのは難しい。
常任理事国になったら日本は何をするのか。それを世界に向かってはっきりと打ち出す政治家が日本にはいなかったことが痛感される。田久保氏の指摘を心ある政治家は正面から受け止めてほしい。この貴重な教訓は日本外交の上で是非とも生かして行くことが必要と考える。
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