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2009-05-10 00:00
生産国と消費国の乖離が解消される時
河東哲夫
自営業
産業革命が起きて、世界の経済史がプラスサムの方向にぐいぐい動き出して以来、モノを作るところとそれを消費するところは違うことが多かった。産業革命期の英国は輸出依存度が30%以上あり、大量生産の成果物のほとんどを、最初は北米、北米が独立してからはインドに売りつけて、急成長を達成した。
生産と消費の場が一致していたのは、19世紀後半のアメリカくらいのもので、他の生産国は植民地にモノを売りつけて大きくなったのだ。戦後、モノを生産する基地となった東アジアと、これを消費する米国の間の乖離は激しくなりすぎた。このねじれから生まれた余計な資金が、今回の不況の原因だ。
ところがこれからは、中国、インドと、大市場の足元でモノが生産されていく。生産地と消費地が収斂するのだ。これは、他の国々にとって、どういう意味を持つのか? モノもカネもこれらBRICs(ロシアは製造業が駄目だから例外だが)にブラックホールのように吸い込まれ、我々は富の蚊帳から完全に外に出されてしまうのだろうか?
金融バブルは,これからもっぱら、中国、インドの内部で起きるようになるのだろうか?それとも、我々もこれら諸国との水平分業で、つつがなく過ごしていけるのだろうか?
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