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2009-05-18 00:00
速やかに、党首討論を実現せよ
角田 勝彦
団体役員・元大使
5月17日、民主党は、鳩山新代表のもと、岡田幹事長、小沢選挙担当筆頭代表代行の新体制で、間近に迫った総選挙に臨むことになった。マスコミ各社の緊急世論調査によれば、民主党の政党支持率は10%近くも上昇して自民党と逆転し、衆院比例区の投票先としても自民党に対する優勢を強めた。総選挙後の総理にふさわしい人としても、鳩山代表は麻生首相を上回る支持を得ている。小沢前代表の政治資金問題で逆風が吹いていた民主党も、これに勇気づけられ、挙党態勢の名の下に政権奪取に邁進しよう。
政治の世界は一寸先は闇である上、自民党が選手交代を含む奇手を打ち、支持を回復する可能性はあるが、次回総選挙で、民主党が第一党になる可能性は高まったと見られる。そこで問題は、次期政権の政策になる。総選挙を間近に控え、与野党ともに有権者の支持獲得を第一に、ポピュリズムに走るのは止むをえないところである。さらに金融危機に続く世界的不況もあり、雇用と生活の安定が世界各国で最重点をおかれていることから、「安心」を目指し、バラマキ的こう薬張り政策が出てくるのも、あるていどはしょうがない。与野党の相互の政策批判には、目くそ鼻くそを笑うの感なしとしない。
鳩山代表が掲げる「友愛」のテーマは、フランス革命でも掲げられた旗印「自由、平等、友愛」の一つである。理想とする「自由」がもたらしかねない優勝劣敗(格差)と、同じく理想とする「(結果の)平等」がもたらしかねない堕落(ソ連崩壊)の間の調和をとろうとしたものとも言える。行き過ぎた市場主義の是正が急務となっている現在、まさに注目に値する思想である。しかし、残念ながら、その内容はあまりはっきりしていない。経済政策については財源が問題である。無駄を省けば出てくるような金額ではない。「無駄」を自民党も認めるような単純な無駄でなく、広く「民主党が必要と見ない政策支出」と定義するのなら、何が無駄か明らかにすべきである。また構造改革問題についても、鳩山代表は、17日昼に全国郵便局長会で「政権交代した暁には、郵政民営化の見直しを真っ先に行うとの約束を必ず守る」と述べた由である。
内政外交面での多くの問題点について、与野党間の政策の相違を明確にするのは、総選挙を前にした有権者に対する国会の義務である。幸い、小沢辞任によりキャンセルされたが、党首討論が予定されている。テレビの応答では、鳩山代表も喜んで応じると言っていた。その早急な実現が期待される
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