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2009-05-27 00:00
民主党代表の交代にあたり思う
船田 元
衆議院議員
3年間にわたって民主党を引っ張ってきた小沢民主党代表が、去る5月11日に辞任しました。3月に西松建設からの違法献金を疑われて、公設秘書が逮捕起訴されたことに対して、直接の説明も、謝罪もなく、政権交代の可能性を目前にして、「党内の対立を避けるため」という理由で辞任する、と記者会見で述べました。麻生総理はこれを聞いて、「辞められる理由が分からない」と記者団に述べましたが、国民の多くの方々も同じような感想を持たれたのではないでしょうか。二大政党制の一角を占め、政権交代を狙えるところまできた大政党の党首の辞め方としては、あまりに不透明であり、説明責任を果たしているとは言い難いのではないでしょうか。
小沢前代表とは一時期政治行動を共にいたしました。あの頃の小沢さんは、「調整型」という従来の政治家とは違って、珍しく「理念提示型」の政治家として、尊敬する側面もありました。しかしながら、民主主義というのは、日々の小さな合意の積み重ね、あるいは意思決定のプロセスも極めて大事なことです。これを私は「政治の日常風景」と呼んでいますが、小沢さんはどうもこの「日常風景」を大事にされない側面も持っているようです。2年前の大連立騒動のときも、今回の西松違法献金事件の発生とその処理の不適切さも、「日常風景」を大事にしなかったことに起因していると思われます。
民主党は、5月16日に国会議員だけによる代表選挙を実施し、新しい代表に鳩山由紀夫氏を選びましたが、民主党には、なお決定し、解決すべき、多くの課題があります。特に小沢さんが一手に引き受けていた選挙対策を、一体だれが受け継ぐのか、注目されましたが、余人をもって変えがたいということで、小沢さんを選挙対策の責任者に据えました。しかし、それでは新生民主党にならないという声もあり、大変悩ましいところでしょう。
民主党が勢いを取り戻せるかどうかは、小沢色をどこまで薄められるかにかかっているわけですが、そうすればするほど党内に亀裂が走り、下手をすると分裂の危機を招く、というジレンマを抱えています。それを迎え撃つ我々自民党も、体調万全とは言いがたい状況にあり、「対岸の火事」として楽観視している余裕は全くありません。自民党と民主党はまさにオセロゲームのように、日々優勢劣勢を繰り返していくでしょう。そうした中で4ヵ月後に迫った任期満了をにらみながら、麻生総理は解散の好機を狙うわけですが、まさに政治家としての胆力と、思い切りの良さが求められています。
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