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2009-06-11 00:00
(連載)天安門事件20周年にあたり思う(3)
藤井 厳喜
ケンブリッジ・フォーキャスト・グループ・オブ・ジャパン代表取締役
多くの国において開発独裁が必要とされたのは、共産主義の侵略に対抗し、脆弱な国家体制を守るためであった。共産主義の脅威が減少し、やがてソ連共産主義そのものが滅亡することにより、多くの発展途上国においては民主化を行う余裕が生じてきたのである。つまり、共産主義の侵略から国家を守るために独裁的政権を作る必要が無くなっていったのである。しかし、このような独裁から民主化へのプロセスが全く起きていないのがシナである。
思えば皮肉なことに、この国の権力は共産党の手の中にある。シナは既に核兵器を持ち、有人宇宙船を打ち上げることの出来る軍事大国である。彼らが外国からの侵略を恐れる必要は全く無い。その点はかつてのフィリピンや中南米で見られたような開発独裁の必要は全く無いのである。シナ共産党は、外国企業の力を借りて獲得した経済力を悪用し、それによってこの20年間膨大な軍事力を建設することに成功してきた。
それは、全く自国の防衛の為のレベルを超えたものであり、アジアにおける、そして世界における覇権を目指すための超軍拡である。今日のシナ共産党は全く一つの伝統的なシナの王朝である。伝統的な王朝との唯一の違いは、皇帝が世襲制でないことだけである。一種の共和制的独裁である。伝統的王朝との共通点は、政権が剥き出しの軍事力と腐敗した官僚制によって大衆を統御している点である。
共産党王朝は一体いつまで続くのであろうか?いずれにせよ我々は、希望的観測を一切捨てて、シナという文明と国家の現実を直視しなければならない。シナにはシナ独特の政治力学が存在し、それらは他の如何なる文明圏の政治力学とも全く異質のものである。他の文明圏なり、国家の発展例をとって、シナの歴史を予測することは全くのナンセンスである。20年前にシナの動向に関して極めて甘い見通しを抱いていた私自身の反省である。(おわり)
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