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2006-05-01 00:00
逆効果となる「日米同盟の強化」の強調
設楽尚三
著述業
岡崎久彦氏は、この「コラム」記事のなかで、中国の軍事力増強について懸念を示し、「ただ結論だけを先に言ってしまえば、それは日米同盟の強化につきる」「日米関係を米英関係に近いものにして、アメリカにとって、日米同盟は、その外交上あるいはその生存上、不可欠なものとさせる努力が必要である」と結論しておられる。
私はこの主張に逆に懸念を覚える。「日米同盟の強化」の必要性は、日米関係のみをとればそうであるかもしれないが、日本がグローバル・プレイヤーとして外交の幅と深さを追求する上では、それがかえってマイナスに働く面もある。端的な例は、昨年のわが国の安保理常任理事国入り問題である。この点で日本が大票田である中東やアフリカ諸国の支持を得られなかったのは、米国と一心同体と見られ、日本が常任理事国入りすることは、「小さな米国」をあと一つ増やすことに過ぎないと判断された点が大きい。「日米同盟の強化」を余り強調することは、場合によっては我が国益に合致しないことがある点を銘記すべきである。
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