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2009-07-06 00:00
日本が戦争を放棄しても、戦争は日本を放棄してくれない
藤井 厳喜
ケンブリッジ・フォーキャスト・グループ・オブ・ジャパン代表取締役
現在の、国際法上の考えでは、という事は、国際政治の現実においては、あらゆる国家は、その大小に関わらず、平等の存在である。あたかも、日本国内においては、金持ちも貧しい者も法律上は平等である事と似ている。つまり、人口がたった2万人しかいないパラオ共和国も、人口が13億人以上もいる中華人民共和国も、国際法上は主権独立国家として平等の存在である。という事は、影で如何なる犯罪を犯そうとも、北朝鮮もまた、国家としては日本と対等の存在なのである。その証拠に北朝鮮は、国連の立派な加盟国である。
国連は、主権国家の平等を前提として、組織し、運営されている。例外は、第二次世界大戦の枢軸国だけである。という事は、拉致問題の解決に関しては、国連は全く役に立たないという事である。あらゆる国家は、平等であり、国家間の利害関係は、自国が主体的な努力によって解決するほかには方法がない。国連は、贔屓目に見ても、世界のおしゃべりフォーラムであり、自国の意見や立場の宣伝の場にすぎない。国連は、世界政府ではなく、国家の上に存在する組織ではない。平等に存在する国家が、便宜上、主体的に組織した団体であり、一国内で言えば、株式会社と言うよりは、任意の親睦団体のようなものである。
国連に頼っては、自国の安全保障がおぼつかないのは、その本質からしてあまりに当然の事である。平等に存在する国家は、同時にみな、戦争をする権利を持っている。国益を守る為に、宣戦を布告し、戦争をする事は、国家に与えられた権限であり、権利である。北朝鮮が、アメリカに対して戦争を仕掛けるとすれば、それは愚かな行為ではあっても、国際上違法な行為ではない。人口2万人のパラオ共和国が、アメリカに戦争を仕掛ける事だって、合法的に可能なのである。最も、直ぐ負けるだろうが・・・。
日本国憲法第9条を読むと、日本は国権の発動たる戦争を放棄したようだが、日本が戦争を放棄しても、戦争は日本を放棄してくれはしない。北朝鮮を含む如何なる国も、日本に宣戦布告をし、日本に戦争を仕掛けてくる事は合法でもあり、可能なのである。そもそも、国権の発動たる戦争を放棄してしまえば、自らの身を守る事すら出来なくなるではないか。純粋な防衛戦争もまた、戦争の1つの類型に過ぎないのである。現在、日本国政府は、解釈改憲により、純粋な防衛の為の軍事行動は、国権の発動たる戦争とはみなしていないのであるが、本来から言えば、あまりに詭弁的であると言わざるを得ないだろう。
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