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2009-07-13 00:00
(連載)G8「不拡散に関する首脳声明」を支持する(1)
角田 勝彦
団体役員
7月12日の都議選も民主圧勝、自民惨敗の結果となって、政権交代の可能性が高まったが、北朝鮮の核(5月に2度目の核実験)・弾道ミサイル(4月に続き7月に7発を発射)など安全保障上の脅威が増大している現在、留意すべきは、我が国外交・安全保障政策の、できる限りの継続性の維持である。とくに、ラクイラ・サミットでG8首脳が7月8日発表した、核兵器廃絶を目指す「不拡散に関する首脳声明」に沿った路線の継続である。とりあえず、衆院で審議中の、北朝鮮に出入りする船舶を検査する北朝鮮貨物検査特別措置法案の早期成立がある。与野党間でさほど異論がない本法案成立により、内外に従来政策の継続を示すことが望まれる。
オバマ大統領の4月のプラハ演説「核兵器のない世界」は、核保有国の軍縮、核不拡散及び核テロ防止の3つを目指していた。一部は冷笑したが、この理想実現に向け着実な進展が見られている。世界9カ国の有識者が立ち上げたグローバル・ゼロ委員会は、6月末、2030年までの「核兵器ゼロの世界」の実現を柱にした行動計画案を発表した。
核軍縮については、圧倒的な核戦力を持つ米ロの首脳が、7月6日戦略核弾頭の上限を1500~1675発とし、弾道ミサイル・戦略爆撃機などの運搬手段を500~1100とすることなどで合意に達し、第一次戦略兵器削減条約(STARTI) が失効する本年12月までに代替条約の交渉が妥結する見込みとなったことで、大きな進展を見た。G8首脳は、この米ロ合意を歓迎するとともに、包括的核実験禁止条約(CTBT)早期発効及び普遍化に向けた努力の強化と兵器用核分裂物質生産禁止条約(カットオフ条約)交渉早期開始を強く支持することを声明した。さらに、「一層の透明性を持った、さらなる核軍縮措置」を求め、中国にも透明性のある核軍縮をうながした。
核不拡散については、 難航してきたNPT関係会議にも進展があったが、G8首脳は、NPT体制が2010年NPT運用検討会議により成功裏に強化されるよう取り組むことを声明し、また北朝鮮の核実験と弾道ミサイル発射をもっとも強く非難するとともに、イランの核計画を強く懸念し、外交による解決に努力する旨を明らかにした。注目すべきは、オバマが7月8日のG8首脳夕食会で、核拡散防止策を討議するため、来年3月にワシントンで「核安全保障サミット」を開催すると発表したことである。これは、同大統領が「核テロが最も切迫した危険な脅威だと考えている」ためで、25~30カ国を招待し、核物質・技術の密輸阻止や核物質の安全な保管策などを話し合うとされる。米国主導の大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)の拡大強化になろう。(つづく)
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