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2009-09-01 00:00
(連載)新政権は、保健医療産業を経済成長に生かせ(1)
角田 勝彦
団体役員
8月30日の総選挙の結果、民主党は単独で308という戦後最多の議席を獲得した。両院間のねじれがなくなったから必要もないが、これに社民、国民新、新党日本及び民主系の無所属2人を加えると、参院で否決された法案を衆院で再可決できる320議席を超えることになる。筆者は、これまで、政局(選挙実施)より世界金融危機に端を発した経済困難などに対処するための緊急政策実施の方が重要と主張してきたが、そのとき危惧していた、選挙後の多党化による立法機能の停滞は避けられよう。
民主党は、マニフェスト(政権公約)の迅速な実現を国民に授権されたといえる。9月中旬の特別国会での首班指名後、鳩山内閣の実際の手腕が問われることになろう。もとより自民党などほかの党に投票した有権者も多い。マニフェストの個別の項目については民主党に投票した者のなかにも反対もあろう。民主党はおごることなく、出来る限り多くの民意を受け入れるよう努めるべきである。先のことだが次の選挙もある。
とくに問題なのは、分配と成長の戦略である。自民・民主両党のマニフェストは、社会政策においてばらまきの多寡を競うようなかたちになって、結局どこが違うのか判断が難しくなったくらいだが、6月末の国の借金が860兆円と過去最悪を更新した現在、民主党マニフェストにある、子ども手当の支給、高校教育の無償化、農家への戸別所得補償、高速道路原則無料化のような分配のための財源を確保するために、経済成長が必要なことは論を待たない。経済成長は、7月の完全失業率(季節調整値)が5.7%となった雇用対策としても不可欠である。9月24日の金融サミット(ピッツバーグ)でも、さっそく我が国の戦略が問われよう。
民主党は、マニフェスト原案に成長戦略がないとの批判に応じ、8月11日の最終版で「日本経済の成長戦略」として、以下の3点を明記した。
①子ども手当、高校無償化、高速道路無料化、暫定税率廃止などの政策により、家計の可処分所得を増やし、消費を拡大する。それによって日本の経済を内需主導型へ転換し、安定した経済成長を実現する。
②IT、バイオ、ナノテクなど、先端技術の開発・普及を支援する。特に地球温暖化対策では、国の大胆な支援で、わが国の優れた技術力をさらに高め、環境関連産業を将来の成長産業に育てる。
③農林水産業、医療・介護は新たな成長産業である。農業の戸別所得補償、医療・介護人材の処遇改善などにより、魅力と成長力を高め、大きな雇用を創出する産業に育てる。
このなかにも触れられているが、保健・医療産業は重要である。鳩山代表(新首相)が重視する「命」そのものにかかわるのみでない。経済成長に大きく役立つのである。(つづく)
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