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2009-09-02 00:00
(連載)新政権は、保健医療産業を経済成長に生かせ(2)
角田 勝彦
団体役員
筆者は、本欄への2008年11月17~18日付け投稿「日本は内需拡大の成長戦略を打ち出せ」 のなかで、内需拡大の突破口は「健康・福祉」が望ましい旨述べた。1500兆円とも言われる国内個人金融資産の裏付けもある(いわゆる花見酒の経済にはならない)上、先端医療(iPS細胞利用再生医療などライフサイエンスの「革新的技術」創造も予想)を目指す外国人富裕層の新しい需要も期待されるからである(すでに限られた病院で実績がある)。観光を含む地域振興(とくに温泉の魅力は大きい)や雇用拡大にも貢献しよう。日本人の平均寿命が世界一であることは、その際、良い宣伝になろう。
日本の総医療費の対GDP比は2005年で8.1%(OECD加盟国中21位)であるが、高齢化の進行により増大を続けており、後期高齢者医療制度問題に見られたように国民皆保険制度の維持にも影響が出てきている。オバマ医療改革難航を見るにつけても、国民皆保険制度の維持は論議の前提である。当然、赤字は問題になるが、他方、韓国政府も打ち出しているように、医療は成長産業である。日本でも、2009年4月の経済財政諮問会議は、中長期の日本の経済成長を見据えた「新たな成長戦略」を提示し、その中で医療・介護サービスを新たな内需基幹産業と位置付け、2025年に現在の2倍以上となる90兆円超の市場を生み出す目標などを盛り込んだ。 医薬品・医用機器などハイテク産業の育成は輸出振興にも役立つ。
しかし医療分野の市場化(株式会社など営利法人の医療機関への参入など)に対しては、差別化が進むなどの批判が強い。急激な改革が困難であるとすれば、市場化や外国人看護師(そもそも医師も看護師も現在不足)の導入を認める、自由診療中心の特区を作ることも考えられる。これにより実現するだろう医療の進歩は、地域住民、ひいては国民一般を裨益するであろう。
高齢化の進行と医療費の増大を前提に、国民皆保険制度の維持と高度医療の実施を求める以上、新たな発想と断行が必要なのである。(おわり)
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