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2009-09-04 00:00
選挙後の自民党と民主党に望むこと
坂本 正弘
日本戦略フォーラム副理事長
8月30日の選挙は自民党惨敗に終わったが、その総括は十分でない。選挙中、自民党側から、小泉改革への否定的見解や竹中非難が強かったが、筆者は強い違和感を持った。自民党の絶対多数は小泉改革のシンボルとも言うべき2005年の郵政選挙の当選者たちである。まず、小泉政権で幹事長・官房長官として郵政改革を進めた安部首相は、2006年秋の就任直後に郵政反対組の自民党復帰を認めたが、明らかな自己矛盾であった。麻生首相も郵政改革に反対だったといい、鳩山邦夫大臣は日本郵政に強い干渉をした。竹中大臣に対しては、アメリカの手先だとか、格差拡大の元凶だとの批判があるが、彼が、重い決断を持って行った公的資金注入による金融機関の体質改善をどう評価するのか。
株価は2万円近くまで上がったが、どうか。日本の金融機関が今回の金融危機にもめげず、最近は海外での活動も活発化しているのは、竹中改革のお陰である。構造改革は時間がかかる。レーガン改革も、サッチャー改革も、果実を生んだのは、改革着手から10年後のことである。小泉構造改革は財政緊縮もあり、郵便局長網、建設業者、日本医師会など、自民党の支持基盤を崩した。この過程は当然に既存の利益集団の反発を招く。選挙を考えれば、「俺は構造改革に反対だった」と言いたくなる。結果としては、構造改革は中途半端になり、自民党は主導するスローガンを失い、民主党の失点を攻撃するネガチブ・キャンペインとなった。
麻生首相の対外政策は悪くなかったが、選挙の洗礼を受けていない首相への信認は低く、各国首脳との外交でも、主導性を発揮できなかった。自民党の主導性を回復するには、理念がいる。古い支持基盤にこだわっては、将来がない。小泉構造改革路線を総括し、改めて構造改革路線を立て直してはどうか?民主党の登場は、日本国内に活性化と混乱を巻き起こしているが、当然の事態である。当面、人事が注目されるが、予算編成が今後大きな山場になると思われる。その過程で古い垢を流すことを期待したい。米国では新政権には蜜月期があるというが、変化が日本社会の活性化につながれば、幸甚である。
ただし、問題は対外面である。ニューヨーク・タイムスに載った鳩山由紀夫代表の“A New Path for Japan”という論文は頂けない。反米、反資本主義の内容もさることながら、論理に一貫性がなく、感情的で、統合的でない。米国には鳩山代表について「経験不足の政治家」との評価があるようだが、将来の首相の論文としては、寄稿前の十分の検討が必要だったと思われる。オバマ大統領との電話会談が成功だったように思えることは幸いだが、鳩山代表は辛い国際的評価にどう対応するか?差し当たり、9月末の国連での演説やオバマ大統領との会談は極めて重要であり、論旨とともに論理が通るよう、十分検討してもらいたいものである。
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