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2009-09-29 00:00
(連載)鳩山外交と「核の傘」(2)
角田 勝彦
団体役員
24日、オバマ自身が議長を務めた核不拡散・核軍縮に関する安保理首脳会合は「核兵器なき世界」の条件作りを目指す決議1887を全会一致で採択した。決議には核拡散防止条約(NPT)体制強化とすべての国の加盟、包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効、北朝鮮やイランのルール違反への厳しい制裁が盛り込まれた。また、来春のNPT再検討会議でも「現実的で実現可能な目標」を設定するよう求めている。
核軍縮については、理由が何にせよ米国がミサイル防衛(MD)施設の東欧配備計画を見直し、ロシアがこれを評価したため、米ロ核軍縮の進展が見込まれる。英国も核搭載4潜水艦を3隻に減らす核削減を表明した。中国も10月1日国慶節の軍事パレードで核ミサイル・早期警戒機などを公開し、核戦力を誇示するとされるが、決議1887作成に完全参加しており、その実現に協力せざるを得ないだろう。また国際原子力機関(IAEA)は18日の総会で、イスラエルの核の能力へ「懸念」(核弾頭約80発保有といわれる)を表明し、査察受け入れを要求する決議案を18年ぶりに採択した。
米国などが、当面、核軍縮より重視している核不拡散については、イランと北朝鮮への締め付けが進んでいる。安保理5常任理事国とドイツは10月1日にイランと交渉するが、イランは第2の核施設をIAEAに報告した。北朝鮮については、中国温家宝首相が10月上旬に訪朝し、6カ国協議への復帰を促すとされる。この安保理首脳会合で、鳩山首相は「持たず、作らず、持ち込ませず」の非核3原則の堅持を誓い、「日本自身が核軍縮・不拡散を主導する積極的な外交を展開」する旨表明した。これには国内で各種の疑念が表明されている。
そもそも世界には、核によるMAD(相互確証破壊)戦略が米ソの軍事衝突を起こさせなかった歴史などを挙げ、「核兵器廃絶は、世界の平和を崩壊させる」(ジョナサン・テッパーマン 9月30日付ニューズウィーク日本版)との意見もある。この意味で、国内に我が国が核保有カード(基本抑止)を放棄することを問題視する意見もあるが、これは日本では国民が容認しない少数意見である。米国の核軍縮は、中国への「核の傘」(拡大抑止)を弱体化するから歓迎できないとの意見も、同様に少数意見である。(つづく)
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