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2009-10-13 00:00
オバマにノーベル平和賞は疑問、大騒ぎする日本はもっと疑問
吉田 康彦
大阪経済法科大学客員教授
五輪・国連・ノーベル賞・・・・これは日本人が必要以上に大騒ぎする“国際的行事”のビッグスリーだ。島国根性丸出しで、一喜一憂するからだ。五輪の東京誘致が実らず、石原都知事は「国民的総意で積極的に誘致運動を盛り上げられなかったのが敗因」と語っていたが、日本国民は比較的冷静だった。冷静だったのは、石原流の強引さに批判的だったからだろう。五輪がひとたび開催されると、全国民が熱狂する。かつて水泳の千葉すず選手は「日本人はメダル気違いだ」と名言(迷言?)を吐いた。国連にも実力以上の権威を認め、“事務総長”(英語では「秘書がしら(頭)」を意味するSecretary-General)の一言一句を大々的に報道する。そして最後にノーベル賞!
オバマ米大統領の受賞決定の報道に、日本のメディアはまたしても狂奔した。全国紙は号外を出し、NHKは9日夜、特別番組編成をした。私も某新聞社からの特集記事のためのコメント求むの電話で知らされた。私は答えた。「オバマは就任してまだ9カ月足らず。プラハ演説で“核兵器のない世界”を実現したいと抱負を語っただけで、何の成果もあげていない。平和賞ではなく、平和激励賞とすべきだ。ノーベル委員会の権威も地に落ちたものだ」と。
オバマ自身は冷静だった。「これは私個人に与えられたものではなく、全人類に授与されたものだ」と感想を述べた。その通りだが、もう少し成果があがるのを見届けてから授与すべきだった。ノーベル賞は、やはりアルフレッド・ノーベルの遺訓どおり、単なる言葉と理念に与えるのではなく、各分野で功績をあげ、人類に貢献した人間に授与すべきものだ。
オスロのノーベル平和賞委員会は「核廃絶の訴えとともに、米国が単独行動主義を改めて、国際協調外交を打ち出したこと」を授賞理由として挙げた。とすれば、前任者のジョージ・ブッシュこそ受賞者にふさわしい。ブッシュなかりせば、オバマの受賞もなかったのだから。
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