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2009-11-02 00:00
財政赤字は国際貢献のコストと捉えるべき
塚崎 公義
久留米大学准教授
現在の日本に求められている最大の国際貢献は、早急に内需を回復させて世界経済の回復を牽引することである。一方で、仮にも中国が独り高成長を続け、日本経済が中国からの受注を命綱として這い上がるといった事態となれば、日本は貢献どころか「お荷物」となり、アジアに於いても世界に於いてもプレゼンスを大きく低下させるであろう。
したがって、国内の景気が自律的に回復しない以上、財政金融政策で景気を浮揚させる事が必要である。金融政策は既に目一杯の緩和をしており、足りない分は財政が出動するしかないというのが現状である。財政が出動すれば財政赤字が拡大するが、今の局面に於ける赤字拡大は、国際貢献のコストと捉えるべきである。鳩山政権が新規施策の財源に目論んでいた「無駄の削減」が難航している事が財政赤字を膨らませているという批判も聞かれるが、暫くは黙って見守るべきである。
「無駄」を削る事は必要である。しかし、無駄なプロジェクトと有益なプロジェクトを見分ける事は容易ではない。少し時間をかけて、じっくりと見極める事が必要であろう。更に重要なことは、好況期に於ける「無駄」と不況期に於ける「無駄」が異なるという事である。ケインズは、「税金で穴を掘り、税金で穴を埋める」事さえも、不況期には有益なプロジェクトだと教えているのである。
民主党は、マニフェストに記した歳出の約束を破ってはならない。無駄が削れないからと性急な増税に走ってもならない。更にいけないのは、無駄か否かを見極めずに有益なプロジェクトを切り捨ててしまう事である。もちろん、景気が回復した後は、無駄の排除が徹底されなければならないが、そのためには無駄の見極めをする時間と、景気が回復するための時間が必要なのである。
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