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2009-11-19 00:00
(連載)全米で巻き返す保守派の「茶会」運動(3)
中岡 望
ジャーナリスト、国際基督教大非常勤講師
中間選挙では下院議員の全員と上院議員の36人が改選になる。上院の改選議席数は、民主党と共和党ともに18議席で、共和党が過半数を確保するには36議席のうち28議席を確保しなければならない。これは数字的に非常に難しいが、現在、民主党が過半数を占めている下院では、勢力が一気に逆転する可能性は否定できない。中間選挙は1年後だが、オバマ政権の実績如何では再び大きな変化が起こりえないとも限らない。
まだ「茶会」運動の全容は分かっていない。地方レベルで自然発生的に生まれた保守派の草の根運動との評価がある一方、民主党のナンシー・ペロシ下院議長は「これは草の根運動ではない。金持ちの似非草の根運動だ」と語り、クルーグマン教授も同様な分析をしている(ニューヨーク・タイムズ紙4月12日付け)。両者とも、「茶会」運動の背後にはリチャード・アーミィ元共和党下院院内総務を指導者とする組織「フリーダム・ワークス」が存在すると指摘している。要するに、一見、同運動は中央組織を持たない一貫性と統一性に欠けた草の根運動のように見えるが、極めて組織化された運動を展開しているというのである。
共和党のストラテジストのヴィン・ウエバーは「この運動は本物である」と語っている。フリーダム・ワークスのスポークスマンのアダム・ブランドンは、「どんな運動もライフサイクルがある。この運動のライフサイクルは始まったばかりだ」と語っている。アメリカの政治の帰趨は、「茶会」運動がどのような広がりを見せるかによって大きく影響されることは間違いない。ただ、この運動が本当に影響力を発揮するには、理論的な指導者が必要だが、まだ新しい保守主義の指導者は登場していない。
なお、ギャロップの最新の調査によると、「自分は保守派だ」と答えたひとの比率は40%、「リベラル派だ」と答えたひとの比率は36%、「中道派だ」と答えたひとの比率は20%であった。前回の調査では、保守派は37%、リベラル派も37%であったが、ここにきて保守派の比率が上昇している。(おわり)
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