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2009-11-19 00:00
(連載)国民投票の実施と投票の義務化を(2)
角田 勝彦
団体役員
国政の根幹にかかる事項については、政権与党は謙虚に、その時点での民意を確かめ、尊重する姿勢が必要だろう。国民投票の実施すら考えられる。例えば、英最大野党、保守党のキャメロン党首は11月4日、欧州連合(EU)の機能強化を図る新条約、リスボン条約が来月発効することを受け、今後は条約や共通通貨ユーロ導入などを通じて自国の権限をEUに移す場合、国民投票を義務付ける国内法の整備を目指す政策を発表した。
電子手段を利用する世論調査の発達もあり、直接民主主義も部分的には空想では無くなっているのである。他方、現在、代議制民主主義に代わる選択肢はない。米国の政治経済学者フランシス・フクヤマは、冷戦後発表した「歴史の終わり」で、全体主義に続き共産主義にも勝利した民主主義は、今後世界的に普遍化していき、従来のような歴史は終わりを見るだろうと論じた。現実は、その予言を裏切ったが、チャーチルは、つとに「民主主義は最悪の政治形態であると言える。ただし、これまで試されてきた全てのほかの政治制度を除けば」と喝破している。両者とも代議制民主主義を前提としている。
この民主主義謳歌の最大の理由は、大統領にせよ、首相にせよ、国の指導者を、定められた期間ののちに、平和裡に、選挙により交代させることが出来るからである。民主主義における選挙の重要性は、いくら強調しても強調しすぎることはない。この意味で、 政権交代後、初の国政選挙となった10月25日の参院神奈川・静岡両選挙区の補欠選挙の投票率が、神奈川が28.67%、静岡が35.64%と前回をかなり下回ったのは、危惧すべき現象である。「民の声は神の声」というが、一部の民の声では信頼性が乏しくなるだろう。
日本国憲法上、投票は選挙権という権利の行使であるが、主権在民の原則から自らの主権を行使することは自らが自らに課す義務と言うことも出来る。つまり「投票は国民の義務」である。不在投票や在外投票の制度も進展している。オーストラリアやウルグアイでは投票を義務制にしており、投票率は高い。我が国でも、重要選挙などでは投票を義務化(棄権の白票は認める)する時期が来たのではないだろうか。(おわり)
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