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2009-11-24 00:00
国民投票の薦めは、「直接民主主義」の薦めではない
角田 勝彦
団体役員
玉木洋氏の寄稿「直接民主主義が良いとは限らない」を興味深く拝見した。「直接民主主義が良いとは限らない」のは、そのとおりである。現在、世界で国政に関し直接民主主義を採用しているのは、国民発議と国民投票が憲法上認められているスイスのみとされる。直接民主主義には、古代ギリシャの都市国家に比べ国民が多くなりすぎたことなど、実施上の問題点があるほか、小党乱立、意見集約・決議の困難、かたや独裁への移行の危険性増大(民主主義の自殺)など制度上の問題点もあるからである。また米国憲法が大統領選挙に選挙人制度を導入しているのには、衆愚政治を避ける意味もあったと見られる。
拙稿「国民投票の実施と投票の義務化を」は、「現在、代議制民主主義に代わる選択肢はない」と明記したように、国民投票の実施の原則化などを求めたものではない。英国保守党のキャメロン党首の「今後は条約や共通通貨ユーロ導入などを通じて、自国の権限をEUに移す場合、国民投票を義務付ける国内法の整備を目指す」との発表を例に挙げたように、国政の根幹にかかる事項については、国民投票の実施も考えられると述べたのである。
例えば、第9条に関する憲法解釈の変更(解釈改憲)やそれに基づく法律案が考えられる。政治優先を主張し、内閣法制局を外すことはできても、なんらかのかたちで提訴され違憲判決が出されれば、三権分立から断念せざるを得ないだろうが、内外ともに混乱が生じるだろう。憲法改正に義務づけられている国民投票で、民意をあらかじめ問うことは、そのような混乱を避けることになると考えられる。総選挙によらず具体的個別案件について民意を求めることは、政治の安定にも有益であろう。
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