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2009-12-01 00:00
(連載)無理な経費削減より財政出動の拡大を(2)
角田 勝彦
団体役員
同じように外務省予算でも日本国際問題研究所補助金4億円余が廃止となった。同研究所は2007年に米国のある研究機関により米国外10大シンクタンクの一つに選ばれている。潰そうと言うのだろうか。又JICA交付金のうち調査研究経費96億円も縮減となっている。根底にある財政依存反対の主張は判る。普通国債の発行残高は2008年度末で546兆円、2009年度国債発行高は52兆円を超える(2008年度は約38兆円)。なお、11月10日の財務省発表によると、国債と借入金などを合計した「国の借金」は、9月末現在で865兆円(うち普通国債563兆円)にもなる。この状態が続けられないのは、判りきったことである。
しかし、政府がさきに1次補正予算2兆9千億円の執行停止を打ち出した(うち2.7兆円を2次補正の財源にあてる方針だった)のに続き、予算の軽率な廃止や縮減に狂奔するなら、実需のみならず心理面で不景気への進行が加速されるだろう。OECDは、11月19日に発表した加盟国・地域の経済見通しで、日本経済について「物価下落が続くデフレ状態にあり、企業収益の悪化などの悪影響を避けるためにも、日本銀行は対策に全力をあげるべきだ」とした。また財政再建のため追加財政出動には否定的ながらも「政府の助成金がなければ、失業率はさらに2%程度悪化しかねない」と指摘した。つまり、金融財政両面の措置が必要なのである。
筆者は、自民党政権時代、「政局より政策を」と主張し続けてきた。それ故、麻生政権の選挙引き伸ばしと緊急経済対策実施はそれなりに評価していた。景気対策の継続は、不可欠である。政権交代後も、9月10日付投稿で「まず景気回復と雇用確保の政策継続を」と主張したが、いまや景気2番底が見えてきている。11月現在失業者数は363万人に及ぶ。求人も減り、10月の大卒の就職内定率は約60%(9月の高校生就職内定率は37.6%)と「超氷河期」といわれるほど低迷している。
苦難の時にあるが日本経済は、回復への底力を秘めている。 背に腹は代えられない。とにかく迅速に国債増発(現在政府が掲げている新規国債発行額を44兆円以下に抑える方針の修正)を含め、あらゆる手段を講じて景気回復を図る方針を明示すべきだろう。(おわり)
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