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2009-12-02 00:00
「無理な経費削減より財政出動の拡大を」に賛成する
玉木 洋
大学教授
角田氏のご見解「無理な経費削減より財政出動の拡大を」に賛成である。さまざまの政策課題が山積し、特に経済状況が厳しい今日においては特に、「政局よりも政策」が国家・国民にとって重要である。政局的意味で行われている色彩が強いという意味でも、問題がある事業仕分けに精力を注ぎ、それによって、本来必要性がありそうな予算を削り、経済政策面でも重要な予算を削るというようなことをするよりは、必要性や効果を検討した上でのことは当然であるが、財政出動をより積極的に考えることこそ現時点で重要であろう。
現在の事業仕分けについて、若干の私見を補足させていただく。事業仕分けは、全体としては国民の間で支持されているという世論調査の結果が出ている。しかし、それはおそらく、「無駄遣いを思い切って切ることが大事」「国民に見える透明な議論が大事」という一般的スローガンの範囲での支持なのではなかろうか。実際には個々の予算が無駄であるかどうかについて、適切な検討が行われて、仕分け判断されたとは思えず、また、そこまでの内容を見て、事業仕分けについての賛否を世論調査において回答したものではないのではないだろうか。
事業仕分けでは、もちろん一部では「本当に無駄」といっても良いものも仕分けされているとは思うが、基本的には、民主党の政策を実現するための予算を浮かせる必要性、悪評高い官僚をたたいてみせる政治的必要性、自民党政権は無駄遣いをしていたというこれまでの民主党の主張が正しかったことにする必要性、国債の増額や増税を極力避ける必要性、といったものが事業仕分けの本質的な動機であり、推進力であろう。このように今回の事業仕分けは、「政策」というよりは、「政局」としての意味合いが非常に強いように思われるものである。緊急事態を前に、まさに「政策」としての真剣な対応を望みたい。
「国民の支持を得て政権をとりたい(あるいは維持したい)」→「より分かりやすい国民生活向上策をとりたい」ということであろうが、民主党は、多数議席獲得に必要な国民の支持を得るために、「一見良いことばかりの政策」を国民に示している。その政策の整合性を何とか図りつつ、国民の支持を獲得しようとしているが、その結果として「国民の生活が第一なので、子供手当てや農家の所得保障をする」という政策になっているのではないか。
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