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2009-12-22 00:00
国家としての日本はメルトダウン中
河東哲夫
自由業
今日起きがけに気がついたが(遅まきだが)、日本が国家として空洞化してきた。すーすー、風が通る。鳩山政権がよろよろしていて、これが交代すると次の内閣は夏の参院選まで半年の賞味期間。自民党の総理は、このところ1年に1人だったが、民主党は以前からの党首の代わり癖が抜けず、半年に1人の割で総理を替えるようになっていくのか? それでちゃんとした政策決定はできるのか? もちろんできない。自民党から民主党への利権の移転くらいはできるかもしれないが。
ソ連が崩壊し、冷戦が終わってから数年、僕はスウェーデンの知人から「冷戦後の世界では日本の居場所が見えないのだ」と言い渡され、ロシアの友人からは「冷戦での敗者は2国ある。一つはもちろんソ連、もう一つは日本だ。これまでソ連に対抗するために欧米に優遇されてきた日本は、放り出される」と予言され、それぞれ妄想と思いながらもずっと心にひっかかってきた。それは、1985年のプラザ合意以来、日本が内需主導経済をどうしても築けず、中国に生産の多くを移してでも、輸出に依存する体制をとり、国内経済のじり貧と、その中で激化する富の奪い合い、そして権力の不安定化をどうもできずにきたからだ。そして上の二つの予言は実現しつつある。それどころか、総理が頻繁に交代するがために、日本は国家として機能しにくくなっている。何だろう、今あるのは?それは、これまでの法制、そして警察、自衛隊が惰性で機能しているだけではないか。国家の抜け殻。
国家など、個人のためにはむしろ弱い方がいいのだが、伸びなくなった経済を少しでも伸ばすための体制は作ってもらいたい、隣りで、伸びる一方の中国が我々の利益を脅かすことのないように外交・国防の枠組みは作ってもらいたい。僕はこの数カ月、鳩山政権が見せてきた対米迷走には反対だが、政権交代のおかげで日本統治のメカニズム、問題点が国民の目に見えてきた点は大きい。この激動の時代に、政治ができること、できないこと、いくら能力がある人でも総理一人では日本を動かせないこと、官僚の使い方のハウ・ツー、予算をめぐる利権の数々などなど、もっと意味のある投票をできるようになるために、公開、議論していくべきことは数多い。
いや小沢幹事長がいるし、そのチルドレンがいるから、大丈夫だと言っても、そのようなことを言う人は、それが、昔のソ連共産党が書記長を、そして現在の中国共産党が胡錦涛国家主席を頂点にした体制とそっくりで、孫文がソ連から中国に持ち帰った「政党国家」体制に似ていることに心すべきだ。これは、独占的政党を背景に、その書記長が一般選挙の洗礼を受けることなしに、独占的権力を行使することであり、権力が市民の目に見えないところに遠ざかることを意味する。中国あたりは今、日本でも政党国家が生まれて、再び強国になろうとする予感に慄いている?(まさかそこまで)だが、戦後自由になった日本社会は、なかでもそれを最大限享受している女性、マスコミは、人民の利益の名の下に権力と富を独占する体制が日本に現れたら、どうなるのだろうか。その前に、まだ残っている選挙で意思を表示するのだろうか。
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