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2010-01-05 00:00
(連載)経済再生のため、企業人は奮起せよ(1)
角田 勝彦
団体役員
新年のマスコミは、2010年は日本の進路を決める年になろうと騒がしい。私は、何度か本欄で説いたように、現在の世界は「ニュールネサンス」の第2期にあり、来るべき世界と日本の将来(メタモダン《超現代》)は輝かしいものとなる可能性が高いと考えているが、そのために、各時期において、世界と日本の指導層が平和と繁栄のため適切な施策を講じていくことが必要なことは論を待たない。とくに我が国にとり焦眉の急務は、景気が2番底にならないよう努めることで、政局がらみで国会がもめそうな現在、会社の大小を問わず企業人が、政府の施策にのみ期待することなく、奮起することを望みたい。
さて、2010年の日本は、たしかに平和と繁栄、さらに国の基幹となる政治体制(とくに僭主制への危惧)の各面で、一つの節目を迎えている。もっとも、長くとも4年たてば国民(民度はきわめて高い)が新しい選択を行える現行民主主義の有り難さから、一つの節目にしか過ぎないことも忘れてはならない。その前に7月11日といわれる参院選での民意表明(民主党が60議席を獲得できるかが焦点)もあろう。政治体制については、政治とカネを追求する検察とマスコミの動きもある。平和に関しては、普天間基地の問題が中心であるが、鳩山首相が5月までに移設先を決めたいと述べていることもあり、「大山鳴動して、鼠一匹」となる可能性もある。
そこで、当面の焦点は、国民の最大の関心事である景気回復になる。1月4日大発会の東京株式市場で、日経平均株価は2008年10月以来の高値水準を回復したが、油断できるどころではない。2009年の日本の名目GDPは473兆円で、世界GDPに占める割合は約8%となり、2010年には中国に追い抜かれて世界第3位になると騒がれているが、それ自体は問題ではない。人口から考えても、BRICsなどの成長率から考えても、日本が世界第2位の経済大国の地位をいつまでも守れるものではあるまい。金持ち喧嘩せずとも言う。BRICsなどが繁栄すれば、国際協調もさらに進展しよう。
問題は、473兆円というのが1992年の水準を下回り、一人当たりで見ても、名目GDPが、2008年には387.1万円(主要国中19位)と前年比4.1%の減少を見せていることである。日本経済は「縮みの10年」を経験してきた。21世紀初めの10年間、年平均の名目GDP成長率はー0.5%(実質では+0.7%)とされる。とくに昨2009年度の実質成長率見込みはー2.8%で、2010年新春に卒業予定の大学生のうち「就職できず」が前年比6割増の13万人(4人に一人)というひどいことになっている。
政府は、2009年12月25日、一般歳出が過去最大の53.5兆円になる2010年度予算案を閣議決定した。これは、2009年度第2次補正予算案(7.2兆円の緊急経済対策)とともに新年1月18日からの通常国会に提出される。また年内ぎりぎりの12月30日に、2020年までの10年間で日本経済を再生させるための新しい経済成長戦略の基本方針「輝きのある日本へ」を閣議決定した。これはGDPを2020年度まで実質で年2%超(名目では3%超)成長させ、470万人の雇用を創出し、2020年度の名目GDPを650兆円ていどに拡大しようというものである。ただし具体策のとりまとめは2010年6月までに行うとされる。(つづく)
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