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2010-01-19 00:00
(連載)武器輸出三原則の運用を正常化せよ(1)
高峰 康修
岡崎研究所特別研究員
北沢防衛相が、12日に行なわれた日本防衛装備工業会主催の会合で「そろそろ基本的な考え方を見直すこともあってしかるべきだと思う。2010年末に取りまとめられる防衛計画の大綱において武器輸出三原則の改定を検討する」と発言して、政府・与党内で厳しく批判されている。社民党の反発を食らったのはもちろんのこと、鳩山首相に「口が軽い」と批判される始末である。北沢大臣の発言は正論であって、武器輸出三原則の運用を見直すことにはもとより大賛成だが、閣内不一致に陥ることが明白であるにも関わらずそのような発言をしたのは、理解に苦しむところである。失礼ながら、更迭覚悟で信念を述べたものとも思われない。
北沢大臣は、具体的には、(1)日本でライセンス生産した米国製装備品の部品の米国への輸出、(2)途上国向けの武器売却、は認めてよいのではないかと言っている。防衛産業関連企業の会合だということでリップサービスしたというのが最も有り得る可能性だが、ことによると次期主力戦闘機(F-X)選定問題でF35の共同開発に参加するための突破口を開きたいという防衛省の思惑を代弁したのではないかとも個人的には推測する。
ところで、しばしば、武器輸出三原則の「緩和」とか「見直し」とか表現されるが、実はこれは不正確である。本来、武器輸出三原則は、1967年4月21日に行われた佐藤栄作首相の衆議院決算委員会における答弁に基づくもので、(1)共産圏諸国向けの場合、(2)国連決議により武器等の輸出が禁止されている国向けの場合、(3)国際紛争の当事国又はそのおそれのある国向けの場合、の3つに該当する場合は武器の輸出を認めないというだけのものである。これが文字通りに運用されていれば何の問題もない話である。現在であれば、ソ連の危機は消滅しているから、「共産圏諸国」の代わりに「ならず者国家」や「テロ支援国家」が入るということになろう。(つづく)
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