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2010-02-07 00:00
(連載)日米関係の将来と普天間基地移設問題(6)
中岡 望
ジャーナリスト、国際基督教大非常勤講師
先に触れたようにベーター氏は、日米関係を「当然なものではない」と指摘している。おそらくアメリカにとって歴史的な結びつきからすれば「当然な国」はイギリスである。日本は決してイギリスにはなれないのである。むしろ日本は日米関係を考えるとき、ドイツを想起すべきであろう。冷戦終了で米独関係は大きく変わった。ドイツの雑誌『シュピーゲル』は米独関係を「フレネミーズ(frenemies)」と表現している。それは友人の「フレンド(friend)」と敵の「エネミー(enemy)」を合成した言葉である。
ドイツは、2008年夏にドイツを訪問したオバマ米大統領候補がブランデンブルグ門で演説するのを認めず、また2009年にホワイトハウスに招待されたとき、メルケル独首相は拒否している。また米独の間には景気政策や金融規制を巡る対立も存在している。ドイツはイラク戦争に反対し、アフガニスタンに派兵はしているものの、アメリカのアフガン政策には批判的である。しかし、2009年11月にメルケル首相は米議会でアメリカとの「強力なパートナーシップ」の必要性を訴え、「両国の間に自由と責任に対する共通の理解が存在する」と語りかけている。またドイツはヨーロッパの安全保障で重要な役割を果たしている。
日本は長い間、「物言わぬ同盟国」であった。それは50年にわたる自民党政権の対米政策の結果でもあった。日本は「従属的な独立」に甘んじてきた。両国の政権が変わった今、日米同盟のあり方を考え直してみる良い時かもしれない。そのためには単なる言葉ではなく、明確な「対等なパートナーシップ」のイメージを語り、アメリカに伝える必要がある。そして世界と地域の安全保障に日本はどう責任を負い、どう責任を果たすべきかを明確に語る必要がある。また安全保障問題は極めて重要だが、同時に日米関係はさらに広いコンテクストの中で議論されるべきであることも忘れてはならない。(おわり)
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