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2010-02-08 00:00
(連載)ウクライナをめぐるロシアと欧米の攻防(3)
河村 洋
ニュー・グローバル・アメリカ代表
他方で大統領候補達は、アメリカから選挙顧問を雇って対米関係の維持に努めている。親露派のヤヌーコビッチ氏さえ、ジョン・マケイン氏の下で働いた選挙参謀を雇っている (“Ukraine candidates relying on US advisers”; Washington Post; January 15, 2010)。
どちらが勝っても、ウクライナには内政と外交の課題が山積みである。ロンドン在住のフリー・ジャーナリストのグウィン・ダイアー氏は、ウクライナのメディアに選挙後のウクライナ政治の動向に関する分析を投稿し、「NATOもEUもロシアとの対決には及び腰であり、さらにウクライナの製鉄、化学、航空産業は、ロシアの石油と天然ガスを必要としている。IMFの融資に依存しているウクライナには、自国の経済政策に関し重要な自己決定を行なうことができない」(“Whether Yanukovych or Tymoshenko, next president left with little room to maneuver”; Kyiv Post; January 21, 2010)と述べている。
確かに仮にティモシェンコ氏が勝っても、次期政権のロシア政策は軟化するであろう。だからと言って、欧米がウクライナへの影響力行使を控えるべきだということにはならない。この記事でも述べたように、親露派のヤヌーコビッチ氏でさえ、アメリカとの関係維持を望んでいる。
トマス・バラセク氏が述べるように、ヨーロッパ連合もウクライナの国家建設にもっと手を差し伸べるべきである。オバマ政権はロシアに対してあまりに宥和的で、これもウクライナ国民がオレンジ革命と欧米に幻滅した原因の一つである。2月7日の第2次投票の行方を見守ろう。この選挙の結果は、自由諸国とロシアや中国に代表される権威主義国家の抗争に重大な影響を及ぼすだろう。事態は、ヨーロッパ大西洋地域を超えてグローバルな性質を持つ。(おわり)
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