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2010-02-09 00:00
ダボス会議、G7会議を終えて
宮崎 厚
ベンチャー企業顧問
先般ダボス会議に出席した仙谷大臣とG7会議に出席した菅大臣の記者会見をテレビとネットでみていて、マスコミの質問と、それにに答える両大臣の発言に少しがっかりしました。
なぜなら、こんな感じだったからです。マスコミの質問は、「日本に対する各国の意見はどんなものでしたか?」。両大臣の答えは、「日本に対しては特にありません。各国とも自国の問題に終始し、あえて言えばギリシャの問題くらい。世界経済の異常事態に対して、景気対策と財政赤字の問題に各国とも悩んでおり、金融規制に関しても意見がわかれ、今後とも意見交換と協調してゆく事を約束してきました」です。これが今後世界のオピニョンリーダーとなることを期待されている日本の指導者として、十分な対応になっているのでしょうか。疑問があります。
もし私がマスコミであれば、「日本としてはどのようなアピールをして来たのですか?」と尋ねます。
もし私が出席大臣ならば、次のように述べます。「世界は景気対策と財政赤字に悩んでいる国が多いので、日本の体験から色々アドバイスが出来ました。まず、財政赤字の問題は、国内に赤字国債の引き受け手がいる限り安心して大丈夫です。現にGNP比でみても、日本の例を見れば分かります。しかし赤字国債を外国に引き受けてもらう場合は気をつけましょう。なぜなら、金融市場の金利変動に翻弄され、万一モラトリウムを起こしたら、IMF管理などとなって、国家の裁量が制限され、国体の維持が出来なくなる恐れがあります。次に、金融規制の問題も単純です。マネーゲームというものは、付加価値を生まないため、ギャンブルと同様に扱えばよいのです。ギャンブラーの利益が税収増加に貢献すれば大目に見て、税収に繋がらなければ禁止すべきです。最後に、景気対策です。景気対策は経済活動の付加価値を増大するしか手立てがありません。財政政策による所得移転をどれだけ増やしても、銀行・金融機関にどれだけ増資しても、産業創造に勝る雇用対策、景気対策はありません。賃金低下の中での需要増加は、減税以外にはありません。最貧層への所得移転よりも中間層への減税こそ最大の需要喚起対策です。日本もこれから幅広い減税対策によって需要喚起が出来るはずです。日本のように、自由な民主主義を一層発展させれば、国民が国家に依存して頼ることなく、一人ひとり思い思いに経済活動を行い、付加価値としての富を創造して国家を支え、国家は弱者に手を差し伸べるような豊かな国になれます。その指針として、役立ててもらえるよう各国首脳にアドバイスをしてきました」と。
こんな感じです。
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