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2010-03-04 00:00
(連載)オバマ大統領とカーター大統領の類似性(2)
河村 洋
親米NGOニュー・グローバル・アメリカ代表
ジェファソン型のバラク・オバマ氏は、前任者ジョージ・W・ブッシュ氏のジャクソン型ナショナリズムとウィルソン型介入主義へのアンチテーゼとして登場した。オバマ氏はアメリカが悪党体制とも共存が可能であり、海外関与を控えるとともに、その余力を国内改革に向けるべきだと考えている。しかしミード氏は以下のように述べている。
「ジョファソン型の国際関与消極主義がまかり通るためには、多くの国々の協力が必要になるが、アメリカの存在感が薄れてしまうと、むしろ諸外国はアメリカに協力する動機が低下してしまう」と。
その通りである。どの挑戦国も敵対国もアメリカに対して融和的ではない。過去にジェファソン型外交政策が通用したのは、アメリカがイギリス覇権下の世界秩序でフリー・ライダーであることが許されたからである。またオバマ政権は、アフガニスタンとパキスタンの政治改革の促進、ダライ・ラマへの支援などで、ウィルソン型のアプローチもとる必要に迫られる。カーネギー国際平和財団モスクワ・センターのリリア・シェフツォワ上級研究員は『フォーリン・ポリシー』誌1月号で「欧米がクレムリンに宥和姿勢をとると、ロシアの改革派を落胆させてしまう」と深刻な懸念を述べている。オバマ氏はメドベージェフ・プーチン政権への対応を再検討する必要がある。国内の反対派は、オバマ氏の外交をあまりに臆病だと批判している。
ジェファソン型とウィルソン型の対応の組み合わせを間違ってしまうと、オバマ氏はカーター氏の轍を踏みかねない。ミード氏は「オバマ氏は、挑戦国や、敵対国、対テロ戦争、アメリカの介入への反感に対処するうえで、微妙なバランスをとる必要がある」と結論づけている。バラク・オバマ氏の外交が歴史的にどのような意味を持つかを理解するためにも、ウォルター・ラッセル・ミード氏が『フォーリン・ポリシー』誌に投稿した論文を是非とも推薦したい。(おわり)
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