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2010-03-27 00:00
(連載)急速に支持を失うオバマ大統領(5)
中岡 望
ジャーナリスト、国際基督教大非常勤講師
政権発足時はグリーン革命を中心とする“新ニューディール政策”を期待する声が聞かれた。だが景気は新しい成長機会に向かって盛り上がることなく、最近では“オバノミックス”という言葉さえメディアから消えてしまった。残されたのは、巨額の財政赤字だけである。2010会計年度の財政赤字は1.5兆ドルを越えると予想されている。最近発表された2011年度予算教書では財政赤字は1.3兆ドルに達すると予想されている。こうした財政赤字の拡大は財政赤字削減を主張する保守派を勢い付かせ、オバマ政権批判に拍車がかかっている。
オバマ大統領は一般教書演説の中で、雇用問題は最優先課題だと位置づけている。雇用問題は、11月の中間選挙を控えオバマ政権にとって「待ったなし」の状況にある。昨年12月、民主党は下院で新たな雇用創出法案である1540億ドル規模の「ジョブ・フォー・メインストリート法」を可決している。オバマ大統領は一般教書演説で、上院に同法の速やかな可決を求めると発言している。
さらに歳出規模3.8兆ドルの2011年度予算案を提出し、1000億ドルの雇用創出対策や中小企業対策、裁量的歳出の凍結などを盛り込んでいる。しかし、基本的な政策は2009年度と変わるものではない。国内の政策の手詰まりから、オバマ大統領は輸出増による雇用増を期待しているのが実情である。その輸出増も即効性は期待できない。
政権1年目は、外交政策でも期待された成果を上げることはできなかった。プラハで「核なき世界」を訴え、カイロで「イスラム世界との和解」を提案し、東京でブッシュ政権が無視してきた「アジアへの復帰」をアピールした。だが、その後の政策を見る限り、現実がレトリックに追いついていないのが実情である。(つづく)
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