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2010-04-28 00:00
小鳩体制の「終わりの始まり」
杉浦正章
政治評論家
幹事長・小沢一郎を「解任」すべき首相・鳩山由紀夫本人が、「退陣」を問われているという図式だ。検察審査会の「起訴相当」議決は、政界に衝撃をもたらし、小沢・鳩山体制が「終わりの始まり」の段階に入ったことを物語る。このままなら政権支持率は10%台突入が予想され、まさに断末魔の状況と言ってもよい。小沢の存在はいまや、選挙への障害そのものとなってきた。もう民主党内は、「小沢神話は崩壊した」と見切りをつけ、組織的に鳩山体制刷新または「小沢切り」に動くべき時だ。体制を改めれば、支持率の急速回復も夢ではない。「一応は治まっているように見える反小沢のマグマは、いつ噴出してもおかしくない」と昨日指摘したばかりだが、吾ながらよく当たる。検察審議会の起訴相当の議決は、民主党内に衝撃を走らせ、辞任要求の声が、ほうはいとして台頭してきた。
行政刷新相・枝野幸男をして「数日のうちにいろんな動きがあると見ている」との発言をさせるに至った。しかし小沢は強気の中央突破の姿勢であり、鳩山も自分の進退が問われていて、とても幹事長解任の判断を固める余裕はない。しかし、政治的に見れば「往生際」と言うしかない状況が現出しているのである。もちろん検察審議会の判断はあくまで「善良な市民感覚」が背景にあり、検察首脳の小沢不起訴の判断のように、政権への“配慮”ともとれる要素がうかがわれることはない。だが、物事はクールに見る必要がある。検察審はいわば素人集団であり、「起訴猶予」ならともかく、プロ集団の検察が公判維持を遠望した「嫌疑不十分」の不起訴を覆すことができるかどうか、というと疑問がある。したがって今後の展開を見ると、「起訴相当」の判断にもかかわらず、検察が起訴をせずに終わる可能性もある。そうなれば、同審議会は再議決を迫られるが、11人全会一致で「起訴相当」を議決したムードが覆る可能性はない。2度目の議決で小沢は強制起訴され、裁判段階に移行するだろう。
問題は、検察の判断が3か月以内(7月27日まで)と定められていることから、参院選を直撃する可能性があることだ。しかし、小沢なら、7月25日まで可能な選挙の日取りを7月11日と早め、検察の判断を参院選後に持ってゆこうとするかもしれない。検察が不起訴の判断をしても、選挙の争点は政治とカネに絞られる上に、検察審の2度目の議決を急がせる恐れがあるからだ。民放コメンテーター・クラスの判断は「検察不起訴なら、民主に追い風」と軽いが、筆者の判断では、検察不起訴なら有権者は検察審議会の強制起訴を期待するだけであり、不満と反発は一層深まると見る。もっとも、今回も、時期といい、国政選挙を控えたタイミングといい、連休後に小沢が代表辞任を迫られた昨年のパターンと酷似している。似ていないのは、鳩山本人が普天間政局で風前の灯の状況にあることだ。
昔の自民党なら、ここは大きな舞台回しをする実力者が登場して、鳩山と小沢を泣いて戒め、「同時辞任」を勧める場面であろう。しかし、民主党にはそんなタマは居ない。昨日も指摘したように、小沢と鳩山の間には普天間をめぐって微妙な暗闘がある上に、鳩山に「小沢切り」が出来る胆力もない。したがって、焦点は“腰抜け”状態にあった民主党内で本格的な自浄作用としての「小鳩体制刷新」の動きが拡大、発展するかどうかだ。冒頭指摘したように、たとえ検察の判断が選挙の後になるにしても、参院選は「起訴相当」で戦うことになる。小沢は「選挙に専念する」と辞任を否定しているが、その張本人が選挙にとって最大のブレーキとなったのである。いずれにしても、事態は「鳩山退陣」か「小沢辞任」か「小鳩同時辞任」かの“三者択一”の状況だろう。渡部恒三も「上司である鳩山君が決断すること」などと言っていないで、いい加減に“宿敵”小沢切りに動いてはどうか。民主党も、布団をかぶっていれば大空襲を切り抜けられると考えるほど馬鹿ではあるまい。参院選大敗でどっちみち小鳩退陣が待っている。
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