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2010-05-09 00:00
(連載)「こんな日本でもできる外交」のススメ(1)
河東 哲夫
自営業
今、日本の外交はほんとうに難しい時期にある。20年続いた不況の犯人探しと戦後日本のあらゆる権威の引きずり落としのターゲットとなり、1990年代末日本の外交官は地べたに引きずり降ろされた。さらに2000年代初頭には北方領土問題交渉の破綻、国連安全保障常任理事国入りの失敗などが重なって、日本外交は国民の信をさらに失った。そして政権交代後の現在は、政府が日本外交をどの方向にもっていきたいのかよくわからない状況になっている。
もともと戦後の日本というのは、本当の意味でのダイナミックな外交がやりにくかった。ひどい戦争に国民をひきずりこんだことで、日本政府は国民から一種の禁治産者とみなされてしまった感がある。国民としては、米国に安全保障を丸投げし、米国から過大な要求もされず、日本政府には経済成長の果実の配分役でもさせていれば、それでいいのだ。
これでは外交の幅は限定される。安全保障を米国に大きく依存していることで、日本をめぐる国際的な枠組みをダイナミックに操作することができないからだ。日本外交の対米従属はいやだと言っても、それから逃れる道は、(1)自主防衛をするか、(2)対米貢献を強化するか、この二つぐらいしかない。自主防衛は、中国、ロシアばかりでなく、他ならぬ米国をも仮想敵国とするものであり、大変な道だ。それにだれが兵隊になるなか?余分な公務員にでも前線に行ってもらうつもりなら、それは敗北への道だ。年金もきちんと数えられない公務員に、銃が扱えるだろうか? だから、日本外交の舵を大きく90度とか180度切ることはできないことなのだ。
では、何ができるのか? 中国は国連PKOに数千人もの軍隊を出しているが、日本もせめて千名ぐらいは出すべきではないだろうか。そして日本周辺で米軍が故なくして攻撃を受けそうだったら、その防衛に参加することもできるだろう。そのために集団自衛権を認める必要がある。(つづく)
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