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2010-05-15 00:00
「戦争放棄」よりも「平和の維持」のほうが重要である
宮崎 厚
ベンチャー企業顧問
今、日本の政治は鳩山内閣の普天間問題でてんやわんやしています。しかし、日本に絡んだ世界の情勢全体を見て、日米安保条約の意味を本当に理解したり、考えている国民が何人いるのか疑問に思います。米軍基地の問題も「近くにゴミ処理場ができる」と反対する住民運動のような発想で対応しても解決はできないと思います。日本人はあの戦争に負けたあと、何とか戦後復興を成し遂げ、現在に至っています。その間、東西冷戦時代でしたが、日本はまだ疲弊しており、当時自民党政権の取った政策は日米安保体制の下での所得倍増政策でした。「戦争放棄」と言って、60年安保闘争で反対した国民もいましたが、この政策は結果的に誤っっていなかったと思います。当時反対していた社会主義者なども、今さら日本をスターリンや毛沢東の支配した社会主義の道に進ませることは諦めているでしょう。
さて、沖縄返還は、沖縄の方々を含めた日本人の総意で米国に返還を求め、米国は基地の存続を条件に返還に応じたと推測します。なぜなら、地勢的、地理的、立地的に、米国の戦略上、極東の安全保障政策上、地図を見ていると沖縄の基地は、ベストの位置であるからです。ヨーロッパは、日本と同じく第二次世界大戦で国土が戦場となり、二度と同じ経験をしたくないとの思いから、NATOを形成し、地域平和を考えています。それに賛同する国々が続々とNATOとEUに加盟しています。さあ、日本はどうするかです。米軍基地をなくして、世界に稀な徴兵制のない日本に徴兵制を敷いて強力な軍隊を作るのか。はたまた日中又は日露安保条約を締結するのがいいのか。もっと進んで、極東に日本という軍事空白地域をつくるのか。私は、これらの議論はいずれも現実を直視していないと思います。日本は、常に相手のこと、世界の情勢全体を的確に把握し、「平和の維持」とはコストのかかるものだと認識したうえで、いかにしてその維持に貢献するかを考えるべきだと思います。だから私は、「外交が大切」と感じて、本欄にときおり投稿もしています。平和とは与えられるものではなく、努力してかち取ってゆくのものです。
ところで、私の海外駐在経験から言っても、米軍基地のあるところは、いずれも安全度は高いですよ。世界中で、米軍がいないと荒れる事が多いのは事実です。海外にいるとき、もし何かあっても、米軍の基地も無く、残念ながら日本の自衛隊は助けに来てくれそうもない、という恐さを覚えた経験があります。現に、その後その国は一時的にフセインのイラク軍に占領されてしまいました。又、同じくかつてイエメンでも内戦が起こりました。その時、日本人を空港まで護衛して民間航空機に乗せてくれたのは、当時のPLOの戦士でした。「なぜなら、昔、安倍晋太郎外務大臣がアラファト議長のPLO事務所を東京に開設してくれたことに対する恩返しである」と親しいパレスチナ人が、語ってくれた事があります。
資源も少なく、国土も狭く、人口密度も高い上、体力的に小ぶりな人種である日本人が、これから永久平和を望むなら、日本の安全をまず確保すること、そして日本人の良識、正義感、精神力といった文化力を示して、世界全体の「平和の維持」に貢献することが大切であると思います。日本人が、平和のための世界戦略をもち、世界中の人々のオピニオン・リーダーとなる時代が到来していると思います。そのときに「戦争反対、米軍基地を無くして、日米同盟を対等化」などと言って、現実を回避する逃げの姿勢で世界を説得できるとは思いません。やっぱり日本人は、皆頑張る事が好きなんですから、国内でヘナヘナしていないで、世界の現実を直視して国際的に活躍しましょうや。海外での試合に出かけてゆくスポーツ選手に、皆で「頑張って」と言うではありませんか。人にばかり言うのではなく、一人ひとりが自分に向かって「頑張ろう」と言いましょう。
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