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2010-05-15 00:00
三宅雪子議員負傷事件と民主党の体質
玉木 洋
大学教授
普天間問題においても、高速道路料金問題においても、子供手当て問題においても、揮発油税問題においても、民主党の主要政策における共通項は「大衆が聞いて喜ぶことを言うが、まともに実現する見通しは最初からない」ということだと言えよう。しかし、これらはまだひょっとすると「そうなるならありがたい」ということではあるし、積極的に虚偽であったかどうかは、はっきりしない部分もある。
しかし、今回の三宅雪子議員転倒事件と甘利議員への懲罰動議は、より問題があるように思われる。you tube などで見ることができる画像によると、甘利議員の行為が三宅議員の転倒の原因とは考えられない。むしろ三宅議員が、様子を見ながら、甘利議員の行為が原因であると見せかけるように大げさに転倒した、と見える。甘利議員のホームページにある「はめられた」という言葉も、もっともだと思える。
民主党や三宅議員は、「うまくやった」と最初は思ったかもしれない。あの転倒で車椅子や松葉杖というのも、いかにも芝居がかっている。しかし、本物の画像が残っていて、国民がそれを見ることができる以上、視聴者・国民をだますことはできない。画像を見れば、三宅議員が甘利議員の行動の様子を見て、タイミングを合わせて自ら勝手に転倒したことが明らかだからである。むしろ三宅議員ないし民主党の戦術(当たり屋までやって、大衆の関心をそらそうという戦術)が分かってしまった、というのが現状であり、これによって民主党や三宅議員の評価はさらに落ちることになるだろう。
このように真実を意図的にゆがめる行為は「何をしてでも、国民大衆からの支持と投票を獲得すればよい」という、今日の小鳩民主党の体質を示すものである。党首が政権をとってから8ヵ月後に「やっと抑止力について学んだ」というような状況もあれば、このような意図的な行動もあるようでは、民主党政権は、国民からも、世界からも、全く信頼を得ることはできないであろう。
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