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2010-05-17 00:00
(連載)温家宝首相来日と普天間移設(1)
角田 勝彦
団体役員
普天間の5月末決着が絶望視され、「抑止力(自国対象)」や「拡大抑止(同盟国などに関する抑止)」が関心を集めているなか、5月31日、鳩山首相は、2007年4月以来2度目の公式来日訪問を行う中国の温家宝首相と首脳会談を行う。抑止には軍備のほか外交によるものもある。鳩山首相には、二国間関係(ヘリ接近など)と国際関係(とくに「核のない世界」への動き)の双方における「友愛外交」の手腕を見せてほしいところである。
普天間移設難航では、鳩山首相の責任論とともに、改めて日米安保体制絡みで「抑止力」の基本問題が浮上してきている。端的に言って、「海兵隊(ひいては米軍)はずっと沖縄にいなければ、その機能を発揮できないのか」との疑問を投げかける声が出てきている。これらの人々は、鳩山首相が基地の国外・県外移設が難しい理由に「沖縄に存在する米軍がすべて連携し、抑止力が維持できるという思いに至った」ことを挙げたのに対し、「(鳩山首相が)県外移設を模索しようとした方向性は間違っていなかった」と反論すらしている。「抑止力(拡大抑止を含む)論は、沖縄に米軍基地を固定する口実だ」というのである。
ただし、政府は、沖縄県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部を埋め立てる現行計画を修正して滑走路を建設する案と、鹿児島県・徳之島にヘリコプター部隊を移転する案などを組み合わせた最終案をすでに米側に提示し、5月下旬に外相会談、防衛相会談を個別に行って、大筋で同意を取り付けたい方針のようである。県外移設案は、放棄されている。小鳩体制のもと民主党には動きなく、5月末に国会などで首相の責任論(不信任)が問われても、7月の参院選の前の政局にはならないようであり、この政府方針は、現地と米側の厳しい姿勢にかかわらず、選挙までは続きそうである。
抑止論はその対象に、北朝鮮はもちろん、中国も含んでいるが、4月中旬の本欄への投稿(「核なき世界」と日本の対中外交)で筆者が指摘したように、4月6日に発表された米国の「核態勢見直し(NPR)」は、中国の核について「核開発のペースや戦略など計画全般が透明性に欠け、中国の将来的な戦略に疑念を抱かせる」と指摘している。(つづく)
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