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2010-05-18 00:00
(連載)温家宝首相来日と普天間移設(2)
角田 勝彦
団体役員
4月15日の日中韓3カ国外相会談と個別会談に際し、岡田外相は中国の楊外相に対し「(核拡散防止条約上の)5核保有国の中で核兵器を増やしているのは中国だけだ」と批判し、削減を求めた。これに対し、楊外相は「中国は先制不使用の方針を掲げており、心配はいらない」と反論した由であるが、理屈にもならない。「核なき世界」実現のためにも、我が国は中国に核削減を求め、とりあえず米国がその核弾頭数を5113発(昨年9月末現在)と明らかにしたように、透明性(配置を含む)の向上を要求すべきである。米国も多とするであろう。
二国間問題では、中国艦隊のヘリが4月8日、21日と2度にわたり海上自衛隊の護衛艦に近接飛行した問題がある。岡田外相は「極めて危険な行為で、再発防止を考えてもらいたい」と表明したが、これに対し楊外相は「日本側の監視活動が行き過ぎだ」と不満を示したものの、東シナ海などでのトラブル回避のため日中防衛当局による連絡体制の構築などを目指す方向で一致した。また日本が排他的経済水域(EEZ)の境界線に定めている「日中中間線」より日本側で、中国の海洋調査船が5月3日に海上保安庁の測量船を追跡した問題でも、岡田外相は「極めて遺憾で、容認できない」と批判した由である。東シナ海を「友愛の海」にするためには、首脳間の率直な意見交換が望ましい。
経済面では、ギリシャ財政危機以来、欧州経済に不安な動きが続き、世界的景気回復に悪影響を及ぼしかねない現在、上海万博に沸き、不動産バブルすら生じている中国との政策協調の確認は重要である。5月15日帰国した経団連訪中団も「環境問題で、関係強化に道筋を付けた」由であるが、中国経済の動向は、世界経済を左右しよう。なお中国製冷凍ギョーザ中毒事件の捜査進展を受けて、「食の安全」に関する覚書が締結される見通しである。
なお、中国は昨年秋以降、東シナ海ガス田開発問題をめぐる日本側の報道が偏向しているとして、国内メディアを指導監督するよう日本政府に繰り返し求めている由であるが、体制の違いを理解せしめるほかあるまい。日中が友愛の絆で結ばれることは、地球の平和と豊饒に貢献する。鳩山首相が、この方向で努力することこそ、普天間移設実現の近道なのかもしれない。(終わり)
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