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2010-05-21 00:00
(連載)世界的投機資金の跳梁を規制せよ(1)
宮崎 厚
ベンチャー企業顧問
2008年のサブプライム問題以降、リーマン倒産事件、アラブ危機、ギリシャ問題と、世界経済が金融投機筋にもてあそばれ、その救済措置に追われて、先進各国は、日本だけでなく、軒並み財政赤字リスクを抱え、これを打開しなければ、18世紀フランス革命以来の民主政治、あるいは19世紀産業革命以来の科学と産業が危険に晒され、現在の資本主義体制自体が壊れる可能性があります。
つまり、封建社会や絶対君主制の時代、人々は社会が閉塞する中で、重税に苦しみ、やむなく革命に至り、共和制や民主政治を勝ち取ってきたにもかかわらず、今後再び一般市民や中産階級が重税の苦しみを負う時代に入ることが予感できます。この際、われわれが世界各国と連携して打つべき対策と、その理念をいくつかあげてみます。
まず第一は、ドイツのメルケル首相に先を越されてちょっと悔しいですが、彼女はギリシャ問題に際し「これは投機筋との戦いであり、負けるわけにはいかない」と宣言しました。日本もすでに1990年代のバブル崩壊時点に経験していますが、金融機関が貸株競争をして、外資系投資機関にカラ売りをかけられ、株価の暴落を招いたことがあります。1997年のアジア通貨危機においても、ジョージ・ソロス氏やバッフェット氏に代表されるヘッジファンドによって危機が増幅され、彼らが大もうけをした後、実物経済界は大変な困難を抱えました。
つまり、ヘッジファンドやカラ売りといったグローバル自由市場経済を利用した、付加価値を生まない金融活動は、規制すべきです。米国オバマ政権もその方向に動き出しています。規制の根本理念は、金融の投機的利益は、付加価値を全く生まず、実体経済に悪影響を与えるという認識です。今後一番恐れるのは、それらの投機資金が(金価格に跳ね返るくらいなら許せても)世界の食料価格やエネルギー価格の暴騰を招くことです。そうなれば、世界中の人びとが飢えたり、世界の産業がつぶれたりする恐れがあります。(つづく)
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