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2010-05-27 00:00
国家、党より保身優先の民主党指導者たち
杉浦 正章
政治評論家
国民の歯ぎしりにもかかわらず、悪名高き「鳩山・小沢」体制には責任を取る気配すらみられない。民主党内有力議員がそれを許しているのはなぜか。それを分析すると、ひとえに参院選惨敗の責任回避が見えてくる。菅直人、岡田克也、仙谷由人などの代表候補がみな「いま代表を引き受けても、結局参院選敗北の責任をとらされる。ここは鳩山と小沢に責任を取らせて、漁夫の利を占めよう」とする戦法と見た。そこには民主党のためというより、自分本位の消極政治しか浮かばない。
やっとの事で参院側から声があがった。5月26日の議員総会で、改選議員らから首相・鳩山由紀夫批判が噴出した。とは言っても、「普天間は自民党の案が正しかったのではないか、との声が圧倒的に多い」などの声だ。普天間問題に関する限り旧政権案に回帰したのだから当然の見方だが、言いっぱなしの傾向が強い。反小沢の衆院財務金融委員長・玄葉光一郎が立ち上げた「国家財政を考える会」も、115人が集まり、予想以上の勢力となった。代理を含めると180人に達し、もうすぐ全議員420人の半数に達する勢いだ。しかし「考える会」も、狙いは参院選後の代表選挙に照準を置いている。党内は鳩山と小沢に対する不満がはけ口を探しているが、うねりとしての体制交代の動きに直結してゆかない。原因は、核となる代表候補が、誰も手を挙げないからだ。
こうした中で7月11日に予定される参院選まであと46日となり、政権交代は時間切れとなりつつある。たとえいま二人を交代させても、代表戦を考慮に入れれば、ぎりぎりの日程しか組めず、性急な交代劇を断行しても、参院選で新体制を印象づけるには時間不足であろう。菅、岡田、仙石、前原誠司が閣内に取り込まれているから動けないという見方があるが、これは口実に過ぎない。過去に閣僚で政権交代に参画または主導した例は、枚挙にいとまがない。要するに、4人とも、民主党に土砂降りの荒梅雨が降り注ぐ中で、ときの声を上げては損するという打算が働いているのだ。
たしかに4人のうち誰が代表なっても、選挙向けには現体制よりはましであろうが、もう過半数割れを食い止めるには態勢が整わない、と踏んでいるのだろう。そうなれば選挙敗北の責任を問われて、代表・首相の座が三日天下に終わりかねないのだ。大局を見られる有能な政治家は、まず国家、次ぎに党、その次ぎに自分を考え、時に応じては無私・無欲で突っ走るものだ。いまはまさにその時期であるのだが、動かない。要するに、吾が身が可愛いのである。そこに鳩山と小沢がほおかむりで当面を逃げ切るすきが出来ているのだ。これでは、たとえ体制が交代しても、リーダーシップを発揮できる首相が出来るかは、疑問だ。
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