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2010-06-24 00:00
戦後日本のみんなで「もたれ合い」をやめよう
河東 哲夫
大学教授
今の日本の状況は、マージャンで言えば、風向きが変わっても牌をがらがらただかきまぜているだけだった鳩山政権から、やっとゲームが開始されるかされないか、というところ。戦後日本の内外政の総点検をやってほしい。1980年代の初期、輸出主導の経済繁栄に酔い、「欧米に学ぶものは、もはや何もない」と豪語したときが、日本がその頂点から滑り落ちる号砲だった。1985年のプラザ合意で円の対ドル・レートを2倍、3倍にも押し上げられ、5年間のバブル景気も束の間、冷戦が終わったこともあって、使用価値の下がった日本は経済大国の地位から蹴落とされてしまった。
失った外需を内需で代替すればいいと言われても、その額は大きすぎ、インフレを起こすことなく実行することはできなかったろう。誰が悪いかと言ったら、それは対米輸出に過度に依存して無理な繁栄を築いた日本の方にも非はあるだろう。だから今の政権の最大の課題は、日本経済を20年間の停滞から、再び成長軌道に乗せることだ。経済力がなければ、外交でも迫力は出ない。労働人口が減るから駄目だ、などと弱音を言わず、女性や60代の年長者(老人じゃないぞ)がもっと働ける環境を作れば、少々の人口減少など吹き飛んでしまうではないか。
それに人口は減り、全体のGDPは伸びなくとも、一人あたりのGDPさえ上げれば(生産性を上げれば)、分配の問題の多くは解決しやすくなる。ただ、戦後日本のまやかし、もたれ合いをそのままにして、先に進みたくはない。真剣勝負の働き方ができるようにしたい。米国に安全を保障されているのをいいことに、政治家はリーダーシップを取るよりも、支持率を上げることに汲々とし、官僚も永田町と霞が関の狭い範囲で法律と予算を通していればよく、マスコミも安易な独占に乗って、ニュースを演出・脚色しては、収益を上げ、学校はぬるま湯の社会のなかで問題を起こさず生きていくことばかりに長けた人材を社会に出してくる。
折角政権を変えたのだから、社会保障を拡充することだけでなく、その社会保障の基盤となる経済・社会の大掃除もやって、本当の活気を社会にみなぎらせてほしい。でも本当に、次の参院選ではどの政党に投票するべきか迷う。民主党に思いっきりやってほしいと思う反面で、この10カ月の悪夢のような日々が思い出されるし・・・
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