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2010-07-24 00:00
羽田ハブ化を嚆矢として「賢い規制緩和」に取り組め
角田 勝彦
団体役員
3ヶ月後に迫った羽田空港のハブ空港化は「国内線は羽田、国際線は成田」という30年来の航空行政の方針を転換する英断であり、経済成長のための「賢い規制緩和」の一環として歓迎する。観光・運輸業界を中心とする民間企業の今後の努力に期待したい。報道によれば、羽田では10月21日に国際線ターミナルと新滑走路の使用が始まり、10月31日以降、ロサンゼルス、パリなど9都市と結ぶ便が就航する。既にある東アジア路線を含めると、13都市と結ばれる。羽田には既に国内の約50都市とを結ぶネットワークがあるため、地方から羽田経由で海外に出たり、外国人客を羽田経由で地方に呼び込んだりもしやすくなる。つまり、乗り継ぎ拠点になる。
情けないことに、これは、これまでは韓国の仁川空港などが果たしていた日本の地方と海外を結ぶ役目である。地上5階建ての新しい国際線ターミナルも、105店舗が入り、外国人観光客に魅力あるものになる由である。また、羽田は都心に近い上、欧米便は午後10時半以降の出発となるため、乗客が一日の仕事を済ませて飛び乗ることが出来るようになる。国土交通省は、羽田の国際線拡充で訪日外国人が219万人(09年の総数の32%)、出国する日本人が387万人(同25%)それぞれ増え、最大1兆円近い経済効果が見込めると試算する。国際線ターミナルの利用客は、年間700万人を見込む。
経営不振にあえいできた日本航空、全日空も、羽田の国際化は起死回生のビジネスチャンスとして多くの国際路線に新規就航する。国際線拠点の成田空港の地元には、羽田の国際化への危機感も見られる由であるが、今回の方針転換に踏み切った前原誠司国交相が表明したように「共存共栄は可能」と考えるべきであろう。そもそも現在、世界約100都市に就航している成田は、滑走路の問題で慢性的に発着枠が不足し、国際化に遅れをとってきたのである。
7月27日に予定されている2011年度予算の概算要求基準の閣議決定を前に、政府は、22日に党(民主党政策調査会)が提案した、成長戦略やマニフェスト(政権公約)実行のための2兆円程度を目標とする「(元気な日本復活)特別枠」新設(高齢化などに伴う社会保障費の増加分1兆3千億円は別)を検討しているが、財源の問題がある。規制緩和は財源を必要としない。ただし智慧と実現への強い意志を必要とする。7月7日付拙稿「『事業』だけでなく『規制』も『仕分け』せよ」で指摘したとおり、 できれば、野党の国会議員の協力も得て、「賢い規制緩和」(とくに医療介護・教育分野)に取り組むことが期待される。
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