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2010-07-28 00:00
辻元の民主党入りは明明白白
杉浦 正章
政治評論家
辻元清美の社民党離党のすべては、国交副大臣辞任の際の“涙”が物語っている。あの涙は政権与党への未練と連立を解消した党首・福島瑞穂への怨嗟の涙だったのだ。それほど、一度知ってしまうと離れられなくなるのが、政権与党の“蜜の味”なのだ。記者会見のボディランゲージは「民主党に入りたい」と見た。早ければ通常国会前、遅くとも総選挙前までには、民主党入りするのだろう。これは蓮舫と並ぶ“看板娘”が登場することになり、民主党にとって選挙向けには相当の武器になる。記者会見を聞いていたが、離党の第1の狙いは、政権与党復帰にあることがありありと出ていた。「国土交通副大臣を経験し、現実との格闘から逃げずに仕事をしたい思いが強くなった」と正直に述べている。
“蜜の味”といっても利権ばかりではない。政策遂行の充実感を知ったのだ。「総理、総理、総理」の追及ばかりでは、空しいのだろう。本人も「総理、総理だけでは、日本を変えられないと思った」とも述べている。加えて選挙区事情だ。前回の総選挙で大阪10区から当選したのは、民主党が候補を立てず、選挙協力に回ったのが大きかった。社民党の政権離脱はこれが困難になることを意味するのだ。朝日によると、約1週間前、辻元氏は親しい議員に「自分が昨年の衆院選で得た票のうち、社民党票は1万5千、民主党票は8万5千。民主党が対抗馬を立てれば、私は間違いなく落ちる」と漏らしたという。「5期目危うし」の危機感が根底にあることは間違いない。
突然の辞任のように見えるが、少なくとも国交相・前原誠司とは相談の上の話であるように見える。前原の辻元辞任直後の発言ができすぎているからだ。「辻元氏は素晴らしい政治家。無所属になられたら、一緒の会派でともに仕事をさせていただきたい」という前原の言葉は、今後の段取りまで予感できる。当面は、国会で会派を共にして、投票行動も民主党と同一歩調を取り、時期を見て入党するという線だ。官房長官・仙谷由人にいたっては、「可能性が非常にある政治家であると思うので、そういうポジションで頑張っていただければ」と、早くもポジションまで用意しているような歓迎ぶりだ。
政治家、とりわけ社会主義者は、信念派と行動派に分けられるが、社民党の指導者は旧社会党以来の古色蒼然たる信念派が多い。党が老朽化して、社会主義路線が息も絶え絶えの中で、辛気くさい爺さん婆さんばかりを見ていたら、辻元もやる気を無くす。選挙敗北の福島に対する責任論もうやむやのままだ。いつ壊れるか分からないような船からは、ネズミも逃げ出す。辻元は恩師土井たか子の意に背いて社会主義路線に見切りをつけたのだ。やはり老朽化した自民党を離党した与謝野馨と舛添要一に似ているが、与謝野と舛添には展望がなくなったが、辻元には民主党入党という展望がある。
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