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2010-07-28 00:00
(連載)イラクの自立的復興のために(1)
水口 章
敬愛大学国際学部准教授
イラクでは8月末に米軍の戦闘部隊が撤退することになっているが、イラク人による治安維持能力に不安を感じさせる出来事が続いている。
アルジャジーラ・テレビによると、7月19~21日までに連続爆弾テロが発生し、合計35人が死亡、75人が負傷した。また7月20日には、バグダードの刑務所に収監中であったアルカイダ組織のメンバー4人が脱獄した、とアル・アラビア・テレビが報じた(7月22日付)。さらに、7月22日にはイラク政府庁舎や大使館などが集中する地区にロケット弾が撃ち込まれている。
このようなテロ事件やアルカイダに関係する事件は、8月末以降、どのようになるのだろうか。そのことについて分析する上でポイントとなるのは、本年3月に総選挙を実施した後、4ヶ月を経た現在も組閣ができていない政治状況をどのように収拾するかという点である。
今も、選挙で勝利したアラウィー元首相と現マリキ首相の間で、どちらが組閣を行うかについて、争いを続けている。そこで問題となっているのは、シーア派アラブ、スンニー派アラブ、そしてクルドの閣内バランスである。その後、政治の争点となるテーマは、(1)石油掘削契約と石油収入の分配を定める石油関連法、(2)首相の権限縮小などの政治改革、(3)旧バアス党関係者の雇用促進も含めた失業者(失業率約15%)対策などである。これらの争点を、利益集団の枠組みの中での利害調整の問題としてではなく、イラクという国家の将来のあり方についての政策選択だと捉え、行動できるか、に政治の行方がかかっている。(つづく)
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