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2010-07-30 00:00
(連載)アメリカは第2のギリシャになるか(1)
中岡 望
ジャーナリスト、国際基督教大非常勤講師
ギリシャの財政危機で、世界各国の財政問題に注目が集まっています。ギリシャは、EUとIMFの支援で当面の流動性危機は回避しましたが、どこまで国内経済の立て直しができるのかが今後の焦点になっています。こうした中で、「アメリカも財政危機の例外ではない」という指摘が行われています。
3月に格付会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、「アメリカ国債は、数年以内に格下げされる可能性がある」という報告を発表しました。同社は「アメリカ政府が財政赤字の管理に失敗すれば、米財務省証券(米国債)の格付けは引き下げられるかもしれない」と指摘しているのです。「米財務省証券がその“ギルト・エッジ格付け(最優遇格)”を失う可能性に限りなく近づいている」とも指摘しています。
現在の米財務省証券の格付けは、AAAです。もし米財務省証券の格付けが引き下げられると、アメリカも他の国と同様に、財務省証券の発行条件が悪化します。すなわち金利が上昇します。金利が上昇すれば、利払い負担が増え、財政状況をさらに悪化させることになります。現在、世界の資金は“セイフ・ヘブン”であるアメリカに大量に流入してきており、アメリカ政府は低コストで資金を調達できるのです。しかし、財務省証券の信用度が低下すれば、調達金利は上昇することになります。事実、財務省証券の「イールド(市場利回り)」は上昇しています。2009年1月2日の20年物の財務省証券のイールドは3.22%でしたが、2010年5月28日のイールドは4.05%です。
また、ムーディーズは、アメリカの財政赤字は構造的な赤字で、「成長率を高めるだけでは解決できない」とも指摘しています。先進国ではアメリカ、イギリス、ドイツ、フランスの国債の格付けは、いずれもAaaです。しかし、同社は、アメリカとイギリスの状況はドイツやフランスよりも厳しいと分析しています。ちなみに日本は2009年5月にAaaからAa2に引き下げられています。これは英米仏独に比べると2ランク下になります。(つづく)
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