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2010-08-07 00:00
山竹章一氏へのお礼と補足
宮崎 厚
ベンチャー企業顧問
山竹様、有難うございます。ささやかな私の意見など誰も読んでいただけないものと思っていましたが、読んで下さったのですね。「管総理があのような発言をしたことは、大変な勇気ある発言というべきであり、それを批判する宮崎氏は、TPOなどを根拠に感情的な批判をするのではなく、本当に『核の傘からの離脱』でよいのか、『非核3原則の法制化』で日本の安全と平和は守られるのかと、正面からの批判をしてほしかったと思います」との、ご投稿の趣旨は承りました。
付け加えますと、核保有国の米・英・仏・ロシア・中国等にとっては核兵器に関する日本の意見などに興味は無いでしょう。また、広島・長崎の被爆者の皆さんについても、「被爆したにもかかわらず、こんなに長く65年も健在でおられて本当によかったですね」と祝意は伝えたいですが、他の東京大空襲や沖縄地上戦で悲惨な戦争被害を受けた方々と区別する理由はないのに、国が特権的な特別の保障をあたえているのはおかしいと思っています。
一方、日本の安全保障の問題は、この際自明の理です。そんな日本の事情など誰も聞いていない時に言っても、ご本人の勝手な信条吐露に過ぎません。外交においては、山竹教授のおっしゃる信念や信条は自己納得の問題で、相手が如何に反応するかを考慮せずに主張しても、無駄ではないかと思うのです。今回の慰霊式典は、国連や米国が、世界の軍縮外交の手詰まりを打開する為、せっかく広島・長崎を選んで世界的核軍縮の理念や理想を述べようとした場であり、現実の日本の安全保障に関して日本の立場を聞いてもらって交渉する場ではなかった、ということを理解していただきたく、意見を述べました。現実論を言うべき時に理念や信条を言ったり、理念や理想を言う時に現実論を言っていたら、相手は戸惑うのではないでしょうか。鳩山前総理の普天間問題からそんな事を心配するようになりました。
安全保障問題に関しては、沖縄の米軍基地の負担を半減させたいのならば、グアムなどへ移転するのではなく、私なら米国に向かって、択捉島への移転を推薦します。なぜなら、同島は日本領土であり、核軍縮に乗ってこないロシアに目を光らせるには最適の立地だからです。米国も、アラスカとの連携がしやすくなり、沖縄と択捉島にがっちり米軍基地があれば、日本や極東アジアの軍事的安定は一層高まるのではないでしょうか。ロシアも択捉島辺りでの軍事演習は、自由に出来なくなるでしょう。実現可能かどうかは、米国とロシアの交渉に任せたらよいのです。
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