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2010-08-09 00:00
(連載)「核兵器なき世界」の理想と現実(1)
角田 勝彦
団体役員
菅首相は、広島平和宣言における「核の傘からの離脱要請」に否定的見解を示したが、同時に、式典の挨拶で、日本は「核兵器なき世界」の実現に向けて先頭に立って行動する道義的責任があること、日本国憲法を遵守し、非核3原則を堅持すること、及び将来を見据えた具体的な核軍縮・不拡散の措置を積極的に提案し、国際社会の合意形成に貢献していくことを明言した。現実の制約は強いが、「核兵器なき世界」の理想をめざす動きを、我が国は主体的、積極的に支援していくべきである。
昨年4月のプラハ演説でオバマ米大統領が提唱した「核兵器なき世界」構想は、一部で夢物語との批判を受けつつも、本年4月の米ロの新戦略兵器削減条約(新START)締結や核安保サミットの開催(核物質の管理強化合意含む)の成果を上げ、核軍縮と核不拡散の双方で、一定の前進を見ている。オバマは、これまでの核政策の方針を転換し、非核保有国への核の不使用も打ち出している。
8月6日の広島における第65回平和記念式典は、この気運をいっそう促進するものといえよう。海外からは過去最多だった昨年より15カ国多い74カ国の代表が参列した。オバマの意向を受け、ルース駐日大使が、初めて米国を代表して出席したことが特記される。出席の理由は「第二次世界大戦の全犠牲者に敬意を表すため」と説明され、「原爆投下によって日本の本土決戦が回避され、終戦が早まり、米兵と日本国民の多くの命が救われた」という米政府の従来からの見解は変わっていない。すなわち、原爆投下への謝罪はなかったが、大きな進歩には違いない。米国内保守派より反発を受けた今回のオバマの決断は、11月の米中間選挙を控えた現在、国内政局への悪影響も覚悟の上で、核廃絶への世界世論を喚起しようとの強い決意を示すもので、高く評価できる。11月の来日時にオバマ大統領が広島を往訪する可能性もかなり出てきている。
初めて出席した藩国連事務総長も、同式典での挨拶で「被爆者が生きている間にも核廃絶(「グローバルゼロ」)を実現できるように」と呼びかけ、これを支援した。なお同事務総長は8月5日訪問した長崎で「強い確信と信念で立ち向かっていけば、核兵器のない世界は実現できると思います」「核兵器が二度と使われないようにする確実かつ唯一の方法は、すべてを廃絶することです」と演説した。(つづく)
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