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2010-08-25 00:00
民主党政権の経済外交はなっていませんねえ
宮崎 厚
ベンチャー企業顧問
民主党政権の経済外交はなっていませんねえ。やられていますね。世界の近隣窮乏策を日本一国で受け止めてあげている感じですね。先般の参議院選挙前の先進国サミットG7やG20の時、菅首相は「欧米はギリシャ問題の話で持ち切りで、財政再建をしなければ大変だ」と感じて、唐突に消費税10%を唱えたはずでした。「財政再建は緊縮財政か増税だが、緊縮財政は景気対策上出来ないから増税する」といった程度の経済知識だったのでしょうか。欧米各国が為替引き下げに一斉に持ってくる予兆すら感じなかったのでしょうか。鈍いですね。昨年来、国防や安全保障、日米安保条約対応にも後手ばかり目につきましたが、今度は経済外交です。
現在の米国・ユーロ圏各国の考え方は、緊縮財政による短期の景気低迷は、輸出振興による中期の対策で対応すればよいのです。日本だって緊縮財政を敷いた上で、個人所得税を含む減税策によって長期の需要を喚起し、新中間所得層の創出、サービス業を含む新産業の創出を図ればよいのです。個人所得の増進、民間付加価値の創出、税収増、ゼロ金利解除、金利引き上げによる社会保障積立金の利回り向上などなどの策もあります。経済政策効果の時間的段取りを図りながらやってゆけば良いと思います。要は、中長期の持続的成長策と対GNP比率の財政規模縮小、民間経済活性化と低所得層の所得引上げです。経済も、産業も、国家安全保障も、何も体験したり、勉強せずに、ただひたすら国民の不平・不満を取り上げては、場当たり的対処療法や、個別救済ばかり叫ぶ政治屋さんであったら、世界全体を見たり、中長期的な視野による大局観によって判断することは難しいかもしれませんね。地方自治体と違って中央政府の行う内政とは、国全体を良くする仕組みを作ることです。
今すぐやることのヒントは、外貨準備を早く使って短期的対応をすることです。ドル買い介入をするだけだと、余計に外貨準備がたまりますよ。景気刺激策などの短期対策の財政支出を継続すると、財政赤字が増えますよ。消費税・所得税を増税すると、内需が中長期的に縮小しますよ。要は、海外から円を買ったら損をするように仕向ければ、円買いは収まるでしょう。財政赤字はいったん棚上げして、法人税・所得税を減税し、内需を増やすことです。円高を利用して将来に役立つ海外のものを買いまくりましょう。需要は国内で活性化し、投資は海外財産獲得にと自然対応をしましょう。国内弱者救済のためには、国民が寄付や義捐金を出し易い制度を作ることです。所得倍増になれば、税収は倍以上になります。
国内で仕事がないなどと言わせず、若者がどんどん海外に出て、仕事をする風潮を作ることも重要です。法律、規則、条例といった規制が張り巡らされた管理社会を脱却し、国民の良識による自然淘汰、学習効果を尊重して、規制緩和を行うことです。産業界が人手不足になれば、失業問題なんか一挙に解決します。今の日本は円高、すなわち失業を輸入している状態です。これを打開しないままの雇用対策は、いたちごっこです。少し乱暴な意見のため、皆様反論も多いでしょうが、何くそと思って頑張りましょう。政府に頼りがいがなくても、日本国民の底力は捨てたものではありません。50~60年前の日本の生活は、日本中皆が貧乏で本当に苦しかったですよ。私も子供心に当時を覚えています。でも日本人は克服してきました。
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