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2010-08-25 00:00
(連載)日米中関係における軍事の論理と政治の論理(1)
角田 勝彦
団体役員
「民主党代表選を巡るごたごたのためか、加速する円高・株安への政府の対応が鈍い」と批判されているが、菅政権は、安全保障問題についても、鳩山前政権時の混乱の後遺症もあり、難問先送りの悪弊に陥っている。実は、その最大の原因は、中国軍拡への対応などを巡る軍事の論理と政治の論理の混同にある。11月中旬のオバマ訪日に際しては、我が国は、現実主義的な軍事の論理に十分配慮しつつ、不戦と非核を目指す政治の論理に基づき、日米同盟の再構築に努めるとの決意を表明すべきである。
最近の報道によれば、米軍普天間飛行場移設問題に関し、8月19日、日米両政府は、代替施設の位置や滑走路の配置などについて、5月28日の日米共同声明で予定していた一つの具体案でなく、二つの案を併記した報告書の概要をまとめ、8月末に発表することで合意した由である。これに伴い、具体的な計画を決める外務、防衛担当閣僚による日米安保協議委員会(2プラス2)は、11月末の沖縄県知事選前に開くことが極めて困難となり、普天間問題は、在沖縄米海兵隊の移転先のグアム整備に関する米側の事情もあって、11月中旬に予定されるオバマ米大統領の訪日までには解決できず、来年以降への先送りが濃厚になっている。
なお、鳩山前内閣は、2009年末の作業完了を目指していた防衛計画の大綱(防衛大綱)と次期中期防衛力整備計画(中期防)の策定を2010年末に先送りしていたし、菅内閣は、韓国への配慮からと見られているが、7月末に予定されていた2010年版防衛白書の閣議了承を9月に延期した。民主党は、安全保障問題についても「難問先送りの悪弊に陥っている」と非難されてもやむをえないだろう。
また酷暑続きでユーモアのセンスが狂ったのかも知れないが、8月19日、自衛隊の折木統合幕僚長ら制服組首脳との意見交換会を前に、菅首相は、北沢防衛相に 「(防衛)大臣は自衛官じゃないんですよ」と述べ、意見交換会の挨拶では「改めて法律を調べてみたら『総理大臣は、自衛隊の最高の指揮監督権を有する』と規定されており、そういう自覚を持って、皆さん方のご意見を拝聴し、役目を担っていきたい」と語った由である。これまで、そうした知識と自覚がなかったと受け取られかねない発言であった。 (つづく)
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