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2010-09-02 00:00
「菅 Vs 小沢」の対決は、互角でスタート
杉浦 正章
政治評論家
練りに練ったとみられる首相・菅直人のネガティブ・キャンペーンが図星を突いたのと、小沢一郎にトリッキーな発言が目立ち、両者の記者会見は6対4で首相・菅直人の勝ちとみた。しかし、記者団は突っ込み不足が目立った。今日9月2日午後の日本記者クラブの会見では「政治とカネ」でより突っ込んだ会見となろう。「菅 Vs 小沢」激突の構図に加えて「メデイア Vs 小沢」激突の構図が鮮明になろう。告示早々の票分析では、管が議員票での劣勢を党員・サポーター票と地方議員票で補い、双方全くの互角・伯仲の形勢である。菅陣営によれば「“菅”軍が“小沢隆盛”を駆逐する」のだそうだ。菅自身が1日夜の会合で「明治維新に西郷隆盛の力は必要だったが、西郷さんはあのような末路。西南戦争があって本格的な明治政府ができた」と息巻いた。
確かに小沢隆盛は「自民党幕府」を倒し、民主党政権作りには貢献したが、西南戦争で城山の切腹だ。乱世の英雄西郷?の平時の政治家としての器量には疑問があるが、小沢の記者会見もアバウトな政治論が目立った。一番それを象徴するのが、「普天間で新たな腹案がある」と述べた点だ。小沢は「沖縄も米国も納得できる案を見いださなければならない。県民、米政府と話をしなければならないので、今自分の頭にあることは言えない」と述べた。菅がすかさず「日米合意を白紙に戻せば混迷を深める」と突いたが、小沢は普天間問題を分かっていない。腹案があれば、幹事長時代に提示して鳩山由紀夫の失政・退陣をカバーできたはずであり、今になって沖縄と米国の双方が納得できる新提案などあり得ないと断言できる。小沢の普天間問題への理解度が分かる発言だ。
財政・経済でも相変わらずの「財源は出てくる」論に徹して、マニフェスト回帰のばらまき路線だった。マニフェストの完全実施は、新たに5兆円の財源が必要だが、鳩山・小沢体制下で行った事業仕分けでひねり出せた財源がたったの3000億であったことを忘れたのか。結局借金で公約を実現するしかないが、国債相場暴落の瀬戸際に追い込まれる危険を内包している。「政治とカネ」の問題も、検察の強制捜査で無罪が立証されたと強調したが、秘書3人の逮捕で小沢にかかった嫌疑はいまだに説明されていない。「すべてを公表した」と胸を張るが、公表当時の記者会見の資料が偽造されたのは定説ではないか。菅が「代表、首相になるならしっかりした説明が必要」と新たな説明責任の基準を設定したのはもっともだ。首相の資質問題で菅が「どういう総理になるのか、示していただきたい。予算委に座っている姿を想像できない」と挑発したが、「自分自身の持ち味で誠実に淡々とこなすのが総理の素質」と述べるにとどまった。小沢の持ち味となれば「政治とカネ」のイメージしかわかないではないか。
そこで両陣営の多数派工作だが、総決起集会に集まった人数が気になる。小沢の120人を多いとみるか、少ないとみるかだが、プロとしては少ないとみる。小沢はグループだけで150人を擁するのに、鳩山グループなどを入れて120人は勢いがない。逆に、菅はよく110人を集めた。新人議員20人の出席がものを言ったようだ。新人議員156人のうち菅陣営が約50人、小沢陣営は約60人を固めた模様だ。残り約50人が草刈り場となっている。焦点は、総数1224ポイントの中でで3割に達する党員・サポーター票と地方議員票だ。党員・サポーター票は世論の影響を一番受けやすく、300ポイントのうち7,8割が菅に行くとの見方がある。100ポイントある地方議員票も来年の統一地方選挙を意識して、7割が菅に流れると見られる。したがって菅陣営は国会議員票での劣勢を党員・サポーターと地方議員票で補える構図となりつつある。菅が世論重視の大網を掛ける作戦を取り、小沢が自民党総裁選を踏襲した個別撃破の作戦で好対照だが、告示早々の情勢は5分5分とみた。
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