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2010-09-21 00:00
(連載)ペトレイアス陸軍大将が語るアフガニスタンの行方(2)
河村 洋
NGOニュー・グローバル・アメリカ代表
Iraq the Modelという人気ブログでは、上記の概観から「増派の議論を行なう際に、アフガニスタンとイラクでは根本的な違いがある」と指摘する識者もいる。イラクのヌーリ・アル・マリキ首相は反乱分子の掃討に断固とした態度で臨んだが、アフガニスタンのハミド・カルザイ大統領はタリバンとある程度の妥協を模索している。また、イラク軍は緊急時には敵を撃破するために必要な行動をとるうえで、アフガニスタン軍より大きな自由裁量権が与えられている。アフガニスタン国民が「タリバンの行為を必ずしも好むわけではないが、タリバンの支配も政府の支配も大差はない」と考えているとすれば、それは由々しき事態である。
しかし、ワシントンのアフガニスタン大使館広報部長を経験したジョシュア・グロス氏は「兵員増派と西側による国家建設への関与の必要性」を力説している。グロス氏は、リベラル派が9・11以降アフガン戦争を熱心に支持してきたにもかかわらず、今になって早期撤退を言い出したのは、矛盾していると指摘する。グロス氏は革新派コーカス議員連盟に代表される反戦派に対し、「戦争の究極目的を思い起こすべきだ」と訴え、「オバマ大統領はアフガニスタンでの作戦任務を支持している」と指摘する。そして、「この戦争での勝利は不可能であり、アフガニスタンは統治不能な国だ」という革新派の主張にも反論している。
しかし、グロス氏は「19世紀末から1970年代初頭までのアフガニスタンは相対的に平和であった」と指摘する。そして「アフガニスタンの治安は改善し、経済再建も一歩一歩進捗している。アフガニスタンは統治可能な国だ」と主張する。さらに重要なことに、グロス氏は「アメリカは、時期尚早の撤退によってアフガニスタンの改革派の勢いを削いではならない」と主張している。
現在、アフガニスタンで現地司令官として作戦指揮を執るペトレイアス大将は、NATOチャンネルとのインタビューで対テロ戦争への懐疑論に反論し、「ヘルマンド州中央部をはじめとする主要地域でNATO軍がタリバンの優勢を覆した」と述べている。また、「この戦争は、国境を超えた過激派の攻撃から自由諸国民を守るために必要だ」と強調した。さらに、これが「タリバンによる中世さながらの圧政からアフガニスタン国民を救う戦争」でもあると語っている。(つづく)
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